Rudolf Buchbinder’s Beethoven Sonata Cycle (VI)

Time: 2017-03-18 20:00    Saturday

Add: NO.1380 Middle Fuxing Rd Shanghai China

Venue: Shanghai Symphony Hall - Concert Hall

Piano: Rudolf Buchbinder

L.v. Beethoven:

Piano Sonata No.20 in G major, Op.49/2 

Piano Sonata No.11 in B-flat major, Op.22 

Piano Sonata No.8 in C minor, Op.13 “Pathétique” 

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Piano Sonata No.25 in G major, Op.79 “Cuckoo” 

Piano Sonata No.21 in C major, Op.53 “Waldstein”

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上海で2回目のブッフビンダー。
前回はシュターツカペレ・ドレスデンとのモーツァルトのコンチェルト。
日本では昨秋のメータ、ウィーンフィルとのブラームスの1番
そして今回は上海でもベートーヴェンソナタチクルスでの一夜ということで
ここ数年聴く機会が多くなっているウィーンの巨匠。
しかしながら、一般的には日本ではコンチェルトは別にして
ソロで絶賛はあまり聞かれない人であり、ウィーンなどでの存在感と比べて
かなり差がある人であることも確か。
校訂などの作業で権威もある人だし、何しろウィーンフィルとベートーヴェンの
ピアノ協奏曲などを各地で弾き振りしているのだから、外からは言いにくいのでしょう。
ブラームスの1番はこの人の演奏で何度も聴いていますが、
強靭なタッチで極めて説得力ある、押しも強い演奏で感銘を受けました。
一方、音色というかパレットが限定的であるので、所謂ピアノフリークな人たちからは演奏スタイルが軽んじられているとこがあるのも事実でしょう。コアな人が絶賛するも楽譜にそった強引なまでの弾き方や、ソナタ全集としての平均レベルの高さというか。。。
確かにシューベルトなどのブッフビンダーで聴くと辛いことがあるのは否めませんが、
ことベートーヴェンについては、彼の短所が長所にもあるところがあり、が故に世界各地でベートーヴェンのソナタチクルスを重ねているのでしょう。上海でも熱演を繰り広げています。
少し年齢のせいか細身になった印象での登場、しかし演奏スタイルはこれまでと同様で堂々としたもの。有名曲と比較すると地味な20番やかわいらしい11番での演奏がブッフビンダーの
スタイルに合って素晴らしいものでした。8番悲愴はとても客受けが良く、演奏自体のテンションも非常に高く、初期のソナタ群でも存在感がある曲はすごいなと、曲自体のすばらしさにも改めて感心した次第。ワルトシュタインは少し粗目の演奏にはなったもの、有名な1楽章おりもそれ以降の方が完成度は高かったと思います。今日は音大生が多かったのかな、若い人たちが熱心に聴いていました。