【作】ヘンリック・イプセン
【翻訳】アンネ・ランデ・ペータス、長島 確
【演出】宮田慶子
【美術】池田ともゆき
【照明】中川隆一
【音響】上田好生
【衣裳】半田悦子
【ヘアメイク】川端富生
【演出助手】渡邊千穂
【舞台監督】福本伸生

麻実れい 村田雄浩 大石継太 眞島秀和
橋本 淳 横堀悦夫 太田緑ロランス 山﨑 薫

<ものがたり>
 北部ノルウェーのフィヨルドにのぞむ小さな町。
 灯台守の娘エリーダは、初老の医師ヴァンゲルと結婚し、先妻の二人の娘ボレッテとヒルデとともに穏やかに暮らしていた。エリーダには、かつて結婚の約束を交わしていた船乗りの恋人がいた。恋人との関係が途絶え、生活が保証されたヴァンゲルの後妻となり愛される日々を過ごしてきたが、生まれたばかりの息子を亡くし、ここ数年は精神が不安定で空虚な生活を過ごしている。毎日海で泳いでばかりいるエリーダを近所の人々は、「海の夫人」と呼んでいた。
 そんな中、突然かつての恋人が現れ、一緒にここを出ていこうと言われるエリーダ。自分の意志で結婚したわけでなく、ずっと自由へのあこがれを胸に秘めていたエリーダは、海と同じ引力を持つその男の登場で心揺れるが......。

今日はストレートプレイ、それも古典イプセンであります。
イプセンと言えば音楽ではペール・ギュント、
そして演劇で言えば人形の家(館)でしょうか。
人形の家も観たことがありませんが、麻美れいが出演ということで
この海の夫人を観ることにしました。
とは言っても昔マクベスなどを観て強い印象があっただけで
最近は彼女の舞台は観ておりません。

物語は上記の通りですが、エリーダ(麻美れい)は娘ではなく継母のような印象で
登場しますが、存在感は圧倒的。昔の想いや亡くなった男の子、仲が上手くいかない
繊細の娘たち。泣きはやや過剰に思えてまるでギリシャ悲劇を見せられているな、と
思う場面もなくはなかったですが、この役はそんじょそこらの女優ではこなせないでしょう。

この戯曲は1880年?前後だったかに創作初演されて、
女性の自立がテーマになっているようです。
エリーダだけでなく、娘のボレッテやヒルデの自立についても
精神面、経済的な面、周囲の男たちの昔ながらの考え方と優しさ、
なるほど、この時代でこの戯曲はかなり意味があり革新的でもあったのでしょう。
それを今日的な視点が見るとどうなるか、
名作戯曲の深く味わうというのか、現代的な問題点的ななのか、
演出的には原作に忠実であったようですが、その点はもう少し
プログラムをケチらずに購入して読めば良かったと終演後に反省しました(笑)。

男性では村田の医師ヴァンケル、ちょっと軽いしかしキーマンの若い男性役の
橋本淳の演技が印象的でした。

今日は近所のマッサージ店に寄り、散髪した後に
スーパーで鰹の刺身を購入して帰宅しました。

では。