rx1206の音楽探訪
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ジャコモ・プッチーニ 歌劇トスカ

【トスカ】ノルマ・ファンティーニ
【カヴァラドッシ】サイモン・オニール
【スカルピア】センヒョン・コー
【アンジェロッティ】谷 友博
【スポレッタ】松浦 健
【シャルローネ】峰 茂樹
【堂守】志村文彦
【看守】塩入功司
【羊飼い】前川依子
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【指揮】沼尻竜典
【演出】アントネッロ・マダウ=ディアツ
【美術】川口直次
【衣裳】ピエール・ルチアーノ・カヴァロッティ
【照明】奥畑康夫

新国の看板演目のトスカ、良くできた舞台装置、衣装で見応え十分です。
下手な来日公演のトスカでは舞台装置で不満になってしまいます。

さてお馴染みファンティーニ、ロンドンに行った時もコヴェントガーデンの
アイーダは彼女でしたし、新国でもアイーダ、アメーリア、マッダレーナ
レオノーラ、そしてトスカと色々聴いてきました。
非常に満足度の高く、演技自体は然程なのですが、
声量、音程の正確さ、表情付けなどさすがのものでした。
ディーバの貫録十分です。
特に第2幕、第3幕の充実振りには驚かされました。

オニールはワーグナーのイメージが強い人ですが、
高音の伸びに定評がある人でパルジファルやジークムントが当たり役です。
そのオニールのカヴァラドッシ、第1幕はやや抑え気味でしたが、
第2幕のVITTORIAの響きは流石のもの。
そしてファンティーニとの2重唱では、
細く尖る系のオニールと、確り芯のある幅のあるファンティーニの声が
対照的に確りと響き、今日の一番の聴きどころでした。
これは充実していたと思います。

コーは初めて聴きますが、欧州で活躍しているようですね。
なかなかの声量で存在感があります。
やや一本調子ではありますが、これだけ押し出しがあれば大したものでしょう。
演技は衣装の扱いなどは良いのですが、やや大根かも・・・(笑)
トスカに刺されるところはもう少しやり方があったかと。

嬉しかったのはスポレッタにベテランの松浦健が出演していたこと。
暫く観る機会がありませんでしたが、前は藤原歌劇団系のトスカでは
スポレッタといえば彼でした。
飯守のミーメでやや評価を下げましたが、スポレッタはやはり嵌り役。
動き一つ一つが決まっています。

それに比して、アンジェロッティの谷や、堂守の志村の歌唱・演技は?でした。
谷なんてもっと才能ある人なのに・・・どうしたんだろう。
堂守はコレナやマリオッティの歌唱が印象に残っているせいか
あんな演技・歌唱ではどうも。

指揮の沼尻ですが、日本人指揮者ではオペラの上演回数は相当多いはずで、
確かに音作りは上手いのですが、細かく振り過ぎて音楽に間というか
遊びというか、そういうものが物足りません。
何度か聴いているのですが、いつも同じ印象を受けてしまいます。
何なんでしょう、小生だけかな~。
見識のある力量ある指揮者なのですが、どうしても新国のトスカでは
ヴィオッティの超名演の記憶があるので比較してしまうんですね。

今日はお酒は飲まず、マッサージを受けて帰宅しました。