昨晩、1050円で購入したテンシュテットの84年大阪ライブのCDを聴いて

猛烈に感動したのでこのタイトルです。


独断と偏見で順位をつけると


1位 テンシュテット LPO (スタジオ録音)

2位 インバル 東京都交響楽団(LIVE録音)

3位 カラヤン BPO (スタジオ録音)

4位 ベルティーニ ケルン放送O

5位 ティルソン・トーマス SFSO


です。


テンシュテットは概してライブ録音は感情移入が激しすぎて

曲のフォルムが崩れかけたり、ついていけないことも正直あるのですが、

スタジオ録音は感情移入と音楽性とのバランスが見事にとれた演奏が多いと思っています。

マーラーの交響曲も概して70年代末のスタジオ録音の方が

その後に次々発売されるライブ録音よりレベルが数段高いと感じています。


逆にインバルのDENONとのスタジオ録音はマーラーの音楽の新しい発見をする意味や

オケの優秀さを確認するのには良いのですが、

所謂感興が乗るといった演奏ではありません。

完璧な演奏とは言いませんが、都響の熱い、完成度の高い演奏を聴くと

前回のブログではありませんが、インバルもライブが面白いと思います。


カラヤンのマーラーは6番のライブ録音が強烈な演奏で

たまに聴いていますが、5番のスタジオ録音はどうせノッペリした演奏だろうと

長い間聴かず嫌いでいました。

ORIGINALシリーズで再発され1000円程度で聴けるようになったので

試しに聴いたところこれが良いんですね~。

カラヤン見直しました。

このオケの優秀さ、それにモーツァルトなどの録音でありがちな

レガートで流すだけということはなく

音の響きがズッシリと伝わってきます。

殊に第1楽章、第3楽章が素晴らしい!


ワルターは録音が古く薄っぺらく、

バーンスタインもNYPはストレート過ぎ、VPOは感情過多

ハイティンクやシャイーはオケが優秀で楽しめるが、踏み込み足らず、

ショルティは鍛えているのねとの感想のみ、

アバドBPOは申し訳ないが何も面白くなく、

ヤンソンスはBRとの実演は素晴らしいかったが、

発売されているACOとの録音は録音がオフマイクで全く感動できず、

ブロムシュテット(青盤)や小澤はミネラルウォーターのような演奏、

マゼールVPO、BR(青盤)共に変わっているが共感性に乏しく、

若杉都響は残念ながら非力、

スヴェトラーノフは意外に面白くなく、

コンドラシンは意外にロシアオケもやるのね止まり、

ラトルは何やっているの?意外ももっちゃりな演奏ね、

ブーレーズはこれは音楽なの?分析なの?という演奏、

というところです。

(↑かなりの独断と偏見です。これらの指揮者が嫌いな訳ではないのですよ~。)


本題のテンシュテットの大阪ライブ。

以前から評判になっていた録音ですが、

冒頭に既述した偏見からこれまで聴いていませんでしたが、

これだけこの曲で一つ一つのフレーズに意味づけを持たせた演奏は聴いたことがありません。

上記の一連の録音では聴こえてこなかった音、フレーズが見事に聴こえてくるのです。

FM大阪の録音の様ですが、

あの響きのないフェスティバルホールでこれだけ優秀な録音は奇跡です。


未だ1050円で購入できるようですが、今回の発売で廃盤決定だそうです。

安価でお求めになられる方はお早めに。