兌為沢(だいたく)
 

兌下・兌上
 兌の兌為沢八卦が上下に重なった八純卦の一つです。兌は、沢、悦び、少女、口、コミュニケーションなどの意味があります。二陽の上に一陰が乗る形が沢や口を表すことから、潤うことの悦びを表し、八卦が上下に重なった大成卦では、口と口が上下に並ぶことから会話やコミュニケーションを表していると見ます。但し、易においては、常にバランスが大切と考えますから、誠実さを欠いた喜びはマイナスに作用します。また、「口はわざわいの元」とか「口車に乗せられる」などと言われるように、口が招く眚(さざわ)いには十分注意する必要があります。




 尾骨
  尾骨には、仙骨の最下部との間に仙尾関節という可動関節があります。この関節の主な動きは、屈曲と伸展といって前後の動きとなります。横に曲がる動きやねじれるような回旋の動きも多少はできます。

 仙骨・尾骨は、正しい位置を保つことが大切です。骨盤が前傾して、仙骨上部が前に、下部が後にずれると尾骨の伸展が過度となり、座った時に尾骨の先端が座面に当たりやすくなります。また、骨盤の前傾は、反り腰の状態を招き、馬尾神経が緊張状態となるので、腰に負担がかかります。

 その逆に、骨盤が後傾した状態だと、仙骨上部は後へ、下部やは前へずれ、尾骨の屈曲を助長しがちとなります。尾骨の極端な伸展や屈曲による骨盤底部の慢性的な緊張は、子宮、前立腺、卵巣、睾丸、膀胱、直腸などの骨盤内臓器や股関節の可動域に影響を及ぼし、痛みが生じたり、疲れやすくなったりします。

 日常の立ち姿勢や、座り方には、十分注意する必要があります。




 兌為沢と外尾骨

  犬は喜びを表現する時に尾を大きく振る習性があります。しっぽが退化した人間もうれしい時にガッツポーズをとったり、腕を左右交互に挙げる動作をとることがありますが、この時に人知れずしっぽ(尾骨)は動いています。人間は、動物と違って言葉を得たので、コミュニケーションの手段は、大半が口となっていますが、人間の様に高度な会話ができない動物の間では、しっぽは重要なコミュニケーションツールなのです。しっぽが退化した人間は、動物のようにしっぽを媒体とした高度なコミュニケーションはできませんが、しっぽのバランスは、人間、動物を問わず大切です。

  刹那的な喜びや目先の利益に目が眩んで、「尻尾を振る」という節度のない姿勢で事に当たることは避けたいものです。兌卦で大切なことは、誠実で、少女のように純情な悦びこそが真の歓びであるということです。