ホソクの選んだ曲は「Outo:EGO」と「Her」でしたね。
私は「Just Dance」が来るかなぁ、と密かに思っていたので意外でしたが、もう一曲が「Her」なのを見て、なんとなく納得したのです。
その理由は、「Outo:EGO」と「Her」は繋がっているような気がするから。
「Her」では「君」を愛する「僕」の心の葛藤が描かれています。
知ってしまった愛のために、僕に愛を教えてくれた君のために、君が望む僕になるために、偽りの自分であり続けること。
ホソクがメッセージでも言及している通り、これはラブソングではあるけれど、この「君」を「アミ」に置き換えることもでき、「僕」を「BTS」に置き換えることもできると思います。
むしろそうした方がしっくりくる歌詞が多い。
是非たくさんの方が素敵な訳をとってくださっているので探してみてください。
この曲の中で印象的なのは
「僕は絶対に仮面を外せない」
「この仮面の下は君が知っているあいつじゃないから」
です。
ここでまたキーワードの仮面(ペルソナ)が出てきます。
仮面の下の「あいつ」とあえて少し強い表現を使っているのは、その偽りの自分=ペルソナを指しているのだろうし、そのペルソナへの嫌悪感情の表れだと思います。
つづけて
「ただ君のために、嫌いな服もやりすぎなメイクも・・・」
「いつでも君の最高のために努力する。こんな姿は知らないままでいてほしい」
この部分は、ホソクがメッセージで触れた部分とリンクします。
ホソクの言葉を借りれば、うわべだけの姿を見せなければいけない時もあったし、でもそれが嫌で隠していたこともある。
でも、この「Her」の中ではこの苦悩の解決は見ていないし、答えは出ていないように思います。
その答えはホソクが選んだもう一曲「Outo:EGO」にあるような気がします。
ここでいうエゴは、自我のことだと理解しています。
自分の中にあるエゴ。本当の自分。
この曲の中で答えが見つかっているように思います。
私の印象的な歌詞はここです。
「ふとよぎる。J-HOPEではないチョンホソクの人生は、希望なんて持てず、死ぬまで後悔だらけだったんだろう」
自分が作ったであろうホソクのペルソナであるJ-HOPEのあるべき姿に苦しんだ時期が確実にあったけれど、でもそのJ-HOPEを捨てたからといって何も残らない。
だから
「そう、気にしない。全部僕なのだから」
「ただ自分を信じて。信じるがまま、向かうがまま。」
「悲しいなりに、辛いなりに」
メッセージの中で語られた「その見せたくない姿も全て僕なんです」がホソクの出した答えで、それはこの「Outo:EGO」に歌詞に繋がっているように思います。
たびたびメンバーの中から話が出る、「ホソクは全然HOPEなんかじゃなかった」と。
本人も「希望希望って言ってたらいつの間にか希望になったよ」と。
見せたくなかったHOPEじゃない自分。
それを隠すのではなく認め表に出していくこと、仮にそれが誰かの要望に応える偽りの自分(ペルソナ)であったとしても、それが自分のなりたい姿だと繰り返し口に出し実践することで、本当の自分(エゴ)になっていく。
ペルソナを認め上手く付き合い共存したんじゃない。
自分のものにしたのだと思う。
ホソクが本当にメンバーからもファンからもリスペクトを集めるのはこれが理由だと思う。
ホソクは見事に「ペルソナ」を「エゴ」に変えた。
そんな人に会ったことが私はない。
だってとてつもなく難しいことだから。