俺が高校生の頃ハマりまくっていたグループCのレース
あの91年のマツダの優勝は忘れられない思い出です。
その頃にマツダスピードの広報にいた三浦さんの本が出ると言うので速攻で予約して今日届きました。
さて、この本を買おうと思った意味が一つあって、トヨタがルマンで初優勝した時にベストカーでオレカのショナックのインタビューで気になった内容があった。
引用開始---
「あれは本当に忘れられない経験でしたね。本番前のテストウィーク中にマシンが大きなダメージを負い、マツダはその後のテストをキャンセルして日本に車を戻すと言いだしたのです」
「それで我々はマツダを強く説得して1週間でマシンを直し、それから30時間のテストを行って、マツダをル・マンの本番に引っ張り出したのです」
マツダが本番前に撤退を考えていたという話も初耳だったが、壊れたマシンを1週間で直したという話にはもっと驚いた。
引用ここまで---
この記事からはマツダが91年のルマンから撤退する可能性があった様に読める。
でも、当時の雑誌や特集本からはこの様なニュアンスは絶対にあり得ない。ましてや最後のロータリーエンジン参戦になる可能性にあるレースに出ないなんてことはない。まだバブルも弾けたわけでは無い時期だったからね。
で、この三浦さんの本でその内容が載っていないかを真っ先に探したわけです。
結局の所こういうことらしい。
・本番前のテストとは
→4月24日からのポールリカールテストのこと
・テストのキャンセルとは
→25日夕方から降り出した雨のため電装系トラブルが多発したこと。また、雨足が強くなって予定スケジュールで終われない可能性があるので中止決定した。
・1週間でマシンを直しとは
→中止決定がされた後、「今後ロングランテストのチャンスはないので1、2日出張を伸ばしてでもやるべきではないかと説得して、オレカが主導となって延長分の関係各所への交渉を行った。その結果、27日からテストが再開できた」とあるので、「マシンを1週間で直した」ではなく、「マシンを直して1週間マシンテストが実施できた」というニュアンスではないか
・マツダをル・マンの本番に引っ張り出したとは
→撤退を撤回させた言う意味ではなく、「ちゃんとテストスケジュールをこなした状態で本番に引っ張り出した」ではないか
ここまで書かれているとわかると思うが、
「マツダが本番前に撤退を考えていたという話も初耳だったが、壊れたマシンを1週間で直したという話にはもっと驚いた。」
という記事は完全に間違っている。
撤退はポールリカールテストでのことでルマン本番のことでは無い。この書き方ではマシンの復旧ができないので本番欠場考えていた様に思える。
また、出張を延ばすことでテストスケジュールをちゃんとこなせたことを話しているのにマシンの修理の事を驚くという頓珍漢
このベストカーの話を不思議に思っている人は、是非この本を読んで、頓珍漢な内容としれ書かれていることを知らしめてほしいと思います。
この本にはちゃんと起こった事象が的確に記載されてます。この本こそマツダスピードの耐久レースのバイブルです。