こんばんは。るぅです。


今日は自分が初学者に大事だと思うこと(やっておきたかったこと、知っておきたかったこと)をテーマに書いていきたいと思います。


司法試験の結果が芳しくなかった自分がこんな記事を書いていいものか悩んだのですが、まあ予備試験に合格してるのは変わらないし気分転換にもなるからいいんじゃない?と思って書くことにしました。


後日、自分が司法試験に不合格だった場合には「偉そうに言ってたやつがいたなぁ…」くらいに思っていただければ幸いです。


例によって法律の勉強の話はあまりしません。そして、抽象的な内容を多く含みます。(自分はイメージで物事を捉える傾向が強いので具体的に書いてもらわないと納得できない方には向かないかもしれません。)


以下の記事を書いていて思ったのですが

司法試験業界は初学者に不親切すぎる!

というのが率直な感想です。


 動機と目標を明確にする

 挫折や受験を断念しそうになったときに立ち返る原点を設定しておきましょう。

 受験を断念したり勉強がキツいと思ったときに、毎回1からモチベーションを設定するのは大変です。


①受験を決意した理由

②いつまでに合格するか等の目標


このあたりは自分でいつでも確認できるようにしておきましょう。


予備試験の受験は誰でも、何度でもできます。

 絶対に合格できなくなるのは、あなたが受験するのをやめたときです。

 受験を断念する理由は様々だと思います。

 家庭の事情、経済的な事情、勉強に疲れてしまう、自分は合格できないと強く感じてしまったとき…。

 また、長期受験をしている方の中には半ば惰性で受験してしまう場合もあるかもしれません。(一般論として、受験回数が3回を超えると合格率がかなり下がるそうです。とはいえ一般論なのであまり過大評価すべきではないともいえます。長期でも受かる人はいるので。)

 そういった事態に陥らないように、あるいは陥ったとしても立ち直りが早くなるように事前に、しっかりと自分が受験を志した動機や、自分で設定した目標を記録しておきましょう。

 こんなことをいうとネガティブに見えるかもしれませんが、受験を続けるか悩んだときに最初に設定した動機に比べて受験する負担が大きいと感じたら、それはそれで受験を断念するのも人生の選択として自分で納得がいきやすいのではないかなと思います。


 自己分析を十分にしておく

 自分の勉強できる環境、これまでの受験遍歴、勉強以外のなにかに取り組んで実感している自分の長所や短所を分析しておきましょう。

 基本的に、自習の時間が長くなりますし、逐一指導を受けられるわけでもないので自己分析はとても大事です。

 例えば…ですが

①学歴、受験遍歴

 別に学歴とか地頭がないとダメ?みたいな話ではないです。

 とはいえ、なんだかんだで自分が試験に向いてるかを評価する上で割と参考にしやすいかなと思います。一般論として国語なんかが得意な方が向いている傾向はあるかなと思います。逆に言えばその程度です。

 基本的に予備試験受験生はそれなりに受験や勉強に自信がある層が受験しているので、その中で受験や勉強のノウハウを持っているとかは多少影響するかな…とは思います。

 ないからダメ…というより、そこで若干差をつけられてると自覚したらそれを補う必要あるな…と認識できるので、それが大事です。


②勉強できる環境

 勉強に割ける時間や、その安定感、家庭環境などです。


③自分の長所短所

 自分の場合は勉強に集中できないとか、優柔不断だとか、やる気が低いとか短所が目につきましたが…。

 何事においても長所と短所をしっかり認識して取り組むのは大事です。


 予備試験は誰でも受けられるため、とにかく受験生のバックグラウンドが多様です。

 それが試験に対する取り組み方が難しい一つの要因かもしれません。

 たとえば基礎的な学力みたいな話をすれば、全く法律に縁のない人から、大学生ロースクールまで出ている人、他の資格や受験でも結果を出している(一見)天才的な人までいます。

 また、勉強に充てられる時間も専業受験生、学生、社会人、子育てまでされている方…などなどそれぞれ全く異なります。

 当たり前のことといえば当たり前のことですが、これだけ個性に富んでいるため勉強への取り組み方や試験対策も人それぞれかなり大きな違いが出てきます。

 もちろん、合格に必要とされる能力についてはある程度一定の水準に定まっているとは思います。

 ただそこに至るまでの道筋や勉強の方法、時間などは多様で、そう簡単に割り切れるものではないことは強く認識する必要があります。

 そのため、自分の能力や環境を客観的に評価しておくことが必要で、これは後述する情報収集と戦略の立て方においても非常に大事だと思います。


 司法試験業界は初学者に不親切すぎ問題

 …とその前に声を大にして言いたい(なんなら別記事で単体で書きたい)ことがあります。

 司法試験業界は初学者に不親切すぎます。

以下理由を述べます。 

①それぞれが自分の正しいと思うことを主張しがち(お前が言うな…とは思いますがご容赦ください←)

 とりあえず、この業界、学者さんも合格者も講師のも各々自分が正しいと思う(場合によっては思い込んでいる)ことを主張するので初学者は何を信じればいいのか分からないと思います。

 自分は何が正しいのか正直よく分かりません

 今はウェブサイトやSNSで試験に関するいろんな情報が氾濫しているので、取捨選択する能力が問われる時代なんだと思います。

 今後は、情報に接することによる優位性より取捨選択できるかで差がついていくことになるのではないかと思います。(ゲーム業界なんかはそういう時代になってますが、試験業界はまだそこまでになっていない印象です。いまのうちは取捨選択を意識するだけで有利になると思います。)


②法律の学習の内容(学問的な話、総論)、科目ごとの学習の内容(学問的な話、各論)、法律の学習の方法、試験対策(試験の攻略法)、勉強への取り組み方(ルーティンや生活との両立)などがごちゃ混ぜ

 これは本当に良くないと思うんですけど、例えば、ツイッターとか、You Tubeの配信とか見てるとこの辺がもうめちゃくちゃなんですよね…。

 個人的に、情報を発信する人はタグかなんかつけて区別してほしいと思っています。

 (※4S基礎講座では中村先生が学習内容、学習方法についてはバッチリ教えてくれる上に、試験攻略的な視点からもしっかり統合されているので4S受講生は4S基礎講座を信用しておけばそんなに問題ないです←)

 勉強への取り組み方についてはカウンセリングを利用しましょう。


③個別の受験対策は割と受験生任せ、大事な戦略は個別指導依存になりがち

 これは自分がいろんな講座の受講生の話や合格者の話を聞いていて思ったんですけど、過去問分析とか添削とかはしてくれるんですけど、個別の受験対策(試験現場での対処法や勉強の進捗管理)とかは手薄な印象です。

 アガルートだったらマネオプ、他の予備校は個別指導でそれぞれ補われている印象ですが、そういったオプションをつけないと、できる人は自分でできるけどできない人は沼にハマってしまうのではないかと思います。

 BEXAについては低価格が魅力ではあるものの、その部分をすべて自分でやらないといけないことはネックなのではないかと思います。


 ↑を踏まえた情報収集方法と試験対策

①最初に自己分析をしっかりしておいて情報収集するときは常に「どの程度自分に落とし込めるか」考える。

 これはめちゃくちゃ大事です。

 当たり前ですが、例えば社会人受験生は専業受験生や学生の合格体験記をそのまま取り込むのはおよそ不可能です。

 とはいっても全く参考にならないわけでもないので、取り込める要素と取り込めない要素に分けて参考にしていく必要があります。

 切り分け方としては

・普遍的な要素(法律の学習の内容とか、試験攻略方法なんかはこれに該当しやすいです)

・自己分析した自分の能力、特性や環境との共通性や相違性(学習方法とか、勉強の取り組み方)から取り込めそうな情報

 は活用していいと思います。この人頭良すぎるし参考にならねー!とかこの人時間有り余りすぎ!自分にはムリ!って思ったらそういう情報は切り捨てていいと思います。

 ついでにいうなら講師の先生等の発言もどういう層の受験生を想定しているか、一応考えておいた方がいいです。(基本的に先生方はそのあたりしっかり配慮されていますが。)

 あとは、講座の選び方も自分に合っているか、自分ができるかというのはとても大事です。講座自体の良し悪しというよりは合う合わないの方が大事かもしれません。


法律の学習の内容(学問的な話)、法律の学習の方法、試験対策(試験の攻略法)、勉強への取り組み方(ルーティンや生活との両立)などのどれにあたるか自分で分類する。

 これは情報発信する側で分類するなり、受講生の種別を分類して(統計でもとって)情報提供してくれたらありがたいですが、そんなことやってくれるわけもなく(というか自分も予備試験の受験生が多様すぎるので現実的には無理だと思います。)自分で意識的に情報に接するときに分類しておくといいと思います。

 でないとほんとに、有効活用できないので。

 特に「法律の勉強」と「試験の攻略」は全く別物です!(一応自分が攻略という言葉をよく使うのはこれを区別する意図です。)


③合格者や講師の大多数が言っていることは信じる。

 流石に、こういう場合は信じていいと思います。

 ただ、個人的にいろいろ考えてみたところ、これに当たることはそんなに多くないと思ってます。

・過去問演習は大事。

・条文は大事

・はやめにアウトプットをしたほうがいい。 


これくらいです。

 あとはだいたい賛否両論あるって感じです。

 使用する参考書とかも定評のある書籍や、ネットで書評が見れるので多くの人がオススメしている多数派に乗ったほうが(相対評価の試験ですし)無難だと思います。


④自分の受講している(受講予定の)講座の合格者や講師の先生の主張にとりあえず乗る。

 そうするとほとんどの情報はどれが正しいのかはっきりしないわけなので、ともすれば道に迷います。

 これについては、基本的に受講してる講座合格者や講師の先生の言ってることを信じたほうがいいと思います。

 どの講座もそれなりに実績と能力の高い先生が自信をもって送り出している(はず)です。

 であれば、多少の差はあれ講師の先生が、「これをやれば受かる」と思う方法になっているはずですし、合格者はいわばその方法論の体現者なので方向性を統一する意味でも、迷ったら受講講座の方針に愚直に従う方がいいと思います。

 目標にゴールするルートはいろいろなルートがある訳ですがどのルートも歩き切るのが大事です。

 脇道や寄り道をしてもいいですが、やりすぎると迷子になるので、メインのルートは自分の中で定めておきましょう。

 例外的にこのルートではゴールに辿り着けそうもないと思ったら思い切ってスタート(または分岐点)からやり直すのもありですが、講座ややり方を変えるのは一度引き返して歩き始めるようなものなので、その選択は慎重にするべきだと思います。


 終わりに

 以上がざっと自分が初学者に大事だと思うことです。

 内容から察していただければと思いますが、これは自分の成功体験に基づいて書いたわけではなく、できるだけ、どんな層の受験生の方にも役に立つように書いたつもりです。


…個人的には司法試験業界になんというか中立的な立場で各予備校や合格者の話を取りまとめた上で、受験生の種別をある程度類型化して共通する要素を分析する…みたいなことをやってくれる人がいたらすごくいいんだろうなーとか思います。(現実的に不可能なんだと思います。)


司法試験や予備試験は相対標準偏差であることや、採点がブラックボックスになっていること、受験生が多様であることもあって、統計的なデータを取るのが不可能に近いんだと思いますが、もっと深いレベルで試験対策をする余地もありそうに思います。


けっこう試験業界は変わりつつある気がするので、個人的に今後の展開に期待しています。


十年単位でやることがあまり変わらない業界ってけっこう異常だと思うんですよね…。