せっかくなので、不(未)合格者の受験指導について、自分の立場をここで明らかにしておこうと思います。

①まず、自分は「合格=指導力がある」とも「不合格=指導力がない」ともいい切れないと思っています。
 司法試験には受験生にも極めて優秀な方が存在することから、実力は十分な人もいます。
 それに他の受験経験が豊富で試験に強い人もいるだろうと思うからです。

しかし、そうはいっても「最も間近で、力をいれてきた“自分自身”という受験生を合格させることができた」という実績があるのが合格者です。
 だから、一般論として合格者のほうが信頼できるということはいえると思っています。

③問題なのは、司法試験の受験指導を受ける上でのリスクの高さです。
 実力が伸びる指導を受けることができればいいのですが、司法試験は合格への距離をあまり縮めることができない指導がそれなりにあると思っています。
 まあ、それだけならまだマシな方なのですが最悪なのは合格を遠ざけしてまうような受験哲学とか、誤った方向性を植え付けられてしまうことです。
 一旦それに染まってしまえば、おそらく、合格から遠ざる方向に進み続けます。
 そして、たちが悪いことに、それを矯正するのはゼロから合格を目指すよりも難しいと思います。

④合格への距離が縮む方向に指導してくれそうな(可能性の高い)順位をあえてつけるならば
実績のあるプロ講師>プロ講師>合格者(上位とリベンジ合格者どちらも参考になるでしょう)>受験生(実力者層)>受験生(不合格者)>新規に学習を始めた受験生
だと思います。
そして合格から遠ざかる誤った指導をされるリスクが高い順は
受験生(不合格者)>新規に学習を始めた受験生>受験生(実力者層)>合格者>プロ講師>実績あるプロ講師

こうなると思うわけです。確かに不合格といえどもそれなりに対策を建てて、勉強してきた経験があるわけですから、その分の知識や経験は不合格者であろうと、確実に初学者よりは上です。
 しかし、不合格だった人は誤った方向性に染まっている可能性が比較的高いのではないでしょうか。  そしてその経験がある分、受験生同士で試行錯誤するとしても声が大きくなるのではないでしょうか。

⑤上記を踏まえた上で結論をいうと…
 結局のところ誰から教わるかは受験生それぞれの自由だし、有益だと思うならそれは各自の判断と責任で指導を受けるのは自由だし、教える側も、別に不合格であることを合格してると偽らない限りは別にやっていいんじゃないかなと、自分は思うわけです。
 受験生段階でも参考にすれば有益な人を見極めることができるのであれば、不合格者だろうが受験生だろうが参考にすればいいし、指導を受ければいいわけです。
 




※しかし、そんなことが指導者を決める段階でできる人がどれほどいるでしょうか。
 そして、仮にそれができるような人であれば、ぶっちゃけ、どこの誰から指導を受けても自分で軌道修正しつつ合格するでしょう。
 そういう自信があるのでない限り、あえて不合格の方の指導を受けるリスクを取るというのは自分としては全くオススメできません。
 
そういうリスクある指導者を放置しておくことを良しとしない方が潰そうとするのも理解できないでもないです。
 とはいえ、自分としては有益である可能性も捨てきれないので、(オススメはしませんが)各受験生の判断で指導を受ける余地は残しておいてもいいのではないか。

…というのが私の立場です。

※↓ツイートしてた内容を貼っときます。
だからまあスタンスとしては、自分は絶対にオススメしないし、身内の方が指導を受けようとしていたら軽くその人の受験観を確認した上で、ヤバそうなら止めはするけど、不合格だからという一事をもってぶっ潰そうとは思わないって感じですよね。

以上です。