内海医師のブログより
栄養の話をいくつかまとめる。基本的にはオーソモレキュラーの本を参照。
脂質について
脂質はたんぱく質、糖質と並ぶ三大栄養とのひとつです。脂質には大きく分けて飽和脂肪酸(動物性の脂中心)と不飽和脂肪酸(植物や魚の脂中心)があり、不飽和脂肪酸には一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸があります。多価不飽和脂肪酸にはオメガ3系(リノレン酸)、オメガ6系(リノール酸)、オメガ9系(オレイン酸)に大きく分けられます。不足するとエネルギー不足なだけでなく、細胞膜が弱ったりホルモンが産生されなかったり、ビタミンの生成も不足しがちになります。プロスタグランジンなどの生理活性物質も、もとをただせば脂質が中心です。
脂質はオメガ3系を多くとるよう勧められています。それはオメガ6系をとってしまうように、現代の食は誘導されているからです。また、オメガ6系は炎症を促進し、オメガ3系は炎症を抑制するように働きます。だから必ずどちらかでないといけないわけではありません。比率を考慮するのが大事なわけです。
そして加熱、もしくは人工的な水素添加をされた脂肪酸こそがトランス脂肪酸です。もはや有名なこのトランス脂肪が、どのように人体を悪くしていくかは今更書く必要もないでしょう。このトランス脂肪は日本ではいまだ規制対象ではなく、どのお店でもチェーン店でも普通に使われているようです。さくっと揚がったコンビニなどの商品ほどに注意しなければなりません。
クエン酸回路
クエン酸回路は細胞内で作られるATP(アデノシン三リン酸・C10H16N5O13P3)と呼ばれる物質を作るための回路です。このATPがエネルギーとなり様々な組織は活動していきます。ATPは糖質、たんぱく質、脂質のいずれからでもつくられます。たとえば一つのブドウ糖分子は38個のATPを作り出します。
酵素はこの反応を支え、促す働きをする触媒です。ビタミンB群、葉酸、ミネラル群、などが絡み合って機能していきます。この絡み合いは覚える必要もないし、私も一切覚えていません。栄養の専門を謳う学者だけが覚えていればいいことです。基本的にミネラルとしてはマンガン、コバルト、マグネシウム、鉄などが活躍します。
エネルギーの材料には主にブドウ糖が用いられますが、アミノ酸の一部や脂肪酸とグリセロールも用いられます。飢餓時には肝臓のグリコーゲンをブドウ糖に分解するほか、筋肉を分解してアミノ酸に変えたり、皮下脂肪を分解して脂肪酸およびグリセリンに変えたりすることで、それらをエネルギーの材料にします。
クエン酸回路(TCAサイクルとも呼ばれる)がうまく機能しないと、疲れやすい、集中力がない、体が冷えるなどの症状があらわれ、これは免疫力や体力の低下にもつながります。ただ、これをみてでは糖分を与えようというのは浅はかなことです。人体というのは様々な意味においても「おいしくクリア」できないようになっているということです。
ビタミンAについて
ビタミンAは脂溶性のビタミンであり、レチノールとカロテノイドの二種に分かれます。前者は主に肉類、魚類、卵など動物性食品に多く含まれ、後者は緑黄色野菜など植物性食品に多く含まれます。カロテンは実は数百種の種類がありますが、実際一般の方がよく知っているのはβカロテンでしょう。カロテンからレチノールに返還されるときは甲状腺ホルモンがその仕事をするので、ホルモンのためにはまたいろんな物質が必要、こうやって体は構成されているという見本です。
ビタミンAの主な働きとしては粘膜の強化、がんや免疫の改善、老化防止、資料の強化、味覚聴覚機能へのサポートなどがあります。ビタミンAはたんぱく質によって運ばれますので、たんぱく質と一緒に摂取することが大事、またレチノールとカロテノイドは同量とるのが良いとされています。また他の抗酸化物質とともにとれば、相乗効果が期待できるとされています。
ビタミンAを肝臓から取り出すとき亜鉛が必要になるとされています。また乳幼児はカロテンをレチノールに変換するが難しい構造をしているので、できれば動物性食品で補給することが栄養学的には勧められているようです。
脚気の予防で知られるようになったビタミンがビタミンB1。これは水溶性ビタミンです。いわゆる白米になったために脚気が軍隊内で増えたことがヒントだったとされています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるための代表格であり、神経伝達や学習能力にもかかわってきます。ブドウ糖がミトコンドリアの中に入って活躍するために、違う言い方をすればブドウ糖をピルビン酸からアセチルCoAに変換する補酵素として、ビタミンB1は活躍します。
ビタミンB1について
ビタミンB1が十分にあると神経細胞に発生する活動電位の立ち上がりが早くなるとされています。ほかに神経線維の合成、ミエリン鞘の形成にもかかわっているとされ、脳にとっては重要な栄養素ですが、ここでも単一でこれだけとっても意味はあまりありません。
不足するとエネルギー不足や中枢神経異常、末梢神経異常、免疫力低下などをもたらします。アルコールを飲む人はビタミンB1が低下する傾向にあり、つまむならビタミンB1を多く含むつまみを考えましょう。またB1はマグネシウムと重要な関係にあるので、マグネシウムの接種を考えることが重要です。ほかにナトリウムや葉酸も関係してますので、あまり深く考えず栄養素が豊富なものを摂取するよう心がければよいでしょう。
ビタミンB1をよく摂取している子供は学力が良かったという研究もあります。アルツハイマー病などにナイアシンやビタミンEを加えて摂取することで、改善したという話もあります。筋萎縮性側索硬化症はビタミンB1に加えて、マグネシウムやカルシウムが不足している人が多いという話もあります。
ビタミンB2について
ビタミンB2は物質や薬物の代謝に関係するとされています。私の仕事ではナイアシンと並んで結構重要なビタミンです。動脈硬化予防、成長ホルモン合成、トリプトファンからナイアシンに変換するときの手助けとして活躍します。
不足すると光過敏症になりますが、これは精神薬の禁断症状の一つでもあります。ビタミンB2はベジタリアン、抗生物質の長期投与、精神安定剤、ステロイドなどの長期投与、妊娠や授乳期などに減りやすいとされています。ビタミンB2が減ると光過敏症のほかに口の中の灼熱感、疼痛、舌のざらつき、口角炎、口唇などのぶつぶつ、体毛の喪失や禿頭などが出るとされていますが、これは精神薬の後遺症とかなり一致します。
B2とB6は同量とることが推奨されますが、これもこの二つに限ったことではないので、相互作用の重要性を理解していれば十分です。
ナイアシンについて
ナイアシン(ビタミンB3)は人の体内に豊富に存在しており、その一部は体内で整合性できるので、あえて食品から補給する必要はないと考えられてきました。しかし近年、そのような栄養素でありながらやはり不足しやすいということが分かってきたそうです。
ナイアシンを作り出すためには必須アミノ酸であるトリプトファンが必要です。この過程でナイアシンを作り出すと様々な栄養素を触媒として利用するため、できれば食品から直接摂取するほうが好ましいようです。ナイアシンは数百種類の補酵素として体内で機能します。
ナイアシンには精神を鎮める作用や幻覚や幻聴を緩和する作用があるとされ、アルコールの代謝にも関係しています。二日酔いの原因物質の一つであるアセトアルデヒドの分解にも関係しており、めまいや偏頭痛にも関係しているとされています。
ナイアシンは多量摂取によって胃の痛みや吐き気、下痢を引き起こすことがあります。また同様にナイアシンフラッシュと呼ばれる状態をもたらしますが、ナイアシンフラッシュの不思議についてはなかなかほとんどの人が理解できません。ナイアシンフラッシュは単なるアレルギーやヒスタミンだけで片づけられる問題ではなさそうです。
パントテン酸について
パントテン酸はビタミンB5ともよばれ、精神に深く関係していると称される栄養素です。またこのビタミンも他同様に性ホルモン、アセチルコリン、福神ホルモンなどの生合成を助ける作用があります。パントテン酸は多くの食品に入っているので、あまり欠乏の心配はいらないと栄養書には書かれています。
パントテン酸は食品加工、加熱に弱く、またカフェイン、サルファ剤、精神薬、アルコールなどによって損なわれてしまいます。また穀物の精製によっても半分近くの栄養素が失われてしまうといわれています。
ビタミンB6について
ビタミンB6は特に皮膚にとって重要なビタミンです。マグネシウム、葉酸などとともに神経伝達物質の補酵素としても働くので、皮膚と新計量法に作用します。案の働きにも不可欠とされています。アトピー性皮膚炎でもじんましんでも、精神状態と皮膚状態がリンクする人がいますが、そのような人は一般的に栄養状態に問題がある人が多いと思います。
ビタミンB6はそれ以外にも糖尿病の改善に役立ったり、赤血球の産生を促したり、免疫の正常化の作用があります。またグルタミンからGABAが作られる場合、ビタミンB6は補酵素として働きますので、ベンゾ系を飲んでいる人は着目したいビタミンです。
栄養の話をいくつかまとめる。基本的にはオーソモレキュラーの本を参照。
脂質について
脂質はたんぱく質、糖質と並ぶ三大栄養とのひとつです。脂質には大きく分けて飽和脂肪酸(動物性の脂中心)と不飽和脂肪酸(植物や魚の脂中心)があり、不飽和脂肪酸には一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸があります。多価不飽和脂肪酸にはオメガ3系(リノレン酸)、オメガ6系(リノール酸)、オメガ9系(オレイン酸)に大きく分けられます。不足するとエネルギー不足なだけでなく、細胞膜が弱ったりホルモンが産生されなかったり、ビタミンの生成も不足しがちになります。プロスタグランジンなどの生理活性物質も、もとをただせば脂質が中心です。
脂質はオメガ3系を多くとるよう勧められています。それはオメガ6系をとってしまうように、現代の食は誘導されているからです。また、オメガ6系は炎症を促進し、オメガ3系は炎症を抑制するように働きます。だから必ずどちらかでないといけないわけではありません。比率を考慮するのが大事なわけです。
そして加熱、もしくは人工的な水素添加をされた脂肪酸こそがトランス脂肪酸です。もはや有名なこのトランス脂肪が、どのように人体を悪くしていくかは今更書く必要もないでしょう。このトランス脂肪は日本ではいまだ規制対象ではなく、どのお店でもチェーン店でも普通に使われているようです。さくっと揚がったコンビニなどの商品ほどに注意しなければなりません。
クエン酸回路
クエン酸回路は細胞内で作られるATP(アデノシン三リン酸・C10H16N5O13P3)と呼ばれる物質を作るための回路です。このATPがエネルギーとなり様々な組織は活動していきます。ATPは糖質、たんぱく質、脂質のいずれからでもつくられます。たとえば一つのブドウ糖分子は38個のATPを作り出します。
酵素はこの反応を支え、促す働きをする触媒です。ビタミンB群、葉酸、ミネラル群、などが絡み合って機能していきます。この絡み合いは覚える必要もないし、私も一切覚えていません。栄養の専門を謳う学者だけが覚えていればいいことです。基本的にミネラルとしてはマンガン、コバルト、マグネシウム、鉄などが活躍します。
エネルギーの材料には主にブドウ糖が用いられますが、アミノ酸の一部や脂肪酸とグリセロールも用いられます。飢餓時には肝臓のグリコーゲンをブドウ糖に分解するほか、筋肉を分解してアミノ酸に変えたり、皮下脂肪を分解して脂肪酸およびグリセリンに変えたりすることで、それらをエネルギーの材料にします。
クエン酸回路(TCAサイクルとも呼ばれる)がうまく機能しないと、疲れやすい、集中力がない、体が冷えるなどの症状があらわれ、これは免疫力や体力の低下にもつながります。ただ、これをみてでは糖分を与えようというのは浅はかなことです。人体というのは様々な意味においても「おいしくクリア」できないようになっているということです。
ビタミンAについて
ビタミンAは脂溶性のビタミンであり、レチノールとカロテノイドの二種に分かれます。前者は主に肉類、魚類、卵など動物性食品に多く含まれ、後者は緑黄色野菜など植物性食品に多く含まれます。カロテンは実は数百種の種類がありますが、実際一般の方がよく知っているのはβカロテンでしょう。カロテンからレチノールに返還されるときは甲状腺ホルモンがその仕事をするので、ホルモンのためにはまたいろんな物質が必要、こうやって体は構成されているという見本です。
ビタミンAの主な働きとしては粘膜の強化、がんや免疫の改善、老化防止、資料の強化、味覚聴覚機能へのサポートなどがあります。ビタミンAはたんぱく質によって運ばれますので、たんぱく質と一緒に摂取することが大事、またレチノールとカロテノイドは同量とるのが良いとされています。また他の抗酸化物質とともにとれば、相乗効果が期待できるとされています。
ビタミンAを肝臓から取り出すとき亜鉛が必要になるとされています。また乳幼児はカロテンをレチノールに変換するが難しい構造をしているので、できれば動物性食品で補給することが栄養学的には勧められているようです。
脚気の予防で知られるようになったビタミンがビタミンB1。これは水溶性ビタミンです。いわゆる白米になったために脚気が軍隊内で増えたことがヒントだったとされています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるための代表格であり、神経伝達や学習能力にもかかわってきます。ブドウ糖がミトコンドリアの中に入って活躍するために、違う言い方をすればブドウ糖をピルビン酸からアセチルCoAに変換する補酵素として、ビタミンB1は活躍します。
ビタミンB1について
ビタミンB1が十分にあると神経細胞に発生する活動電位の立ち上がりが早くなるとされています。ほかに神経線維の合成、ミエリン鞘の形成にもかかわっているとされ、脳にとっては重要な栄養素ですが、ここでも単一でこれだけとっても意味はあまりありません。
不足するとエネルギー不足や中枢神経異常、末梢神経異常、免疫力低下などをもたらします。アルコールを飲む人はビタミンB1が低下する傾向にあり、つまむならビタミンB1を多く含むつまみを考えましょう。またB1はマグネシウムと重要な関係にあるので、マグネシウムの接種を考えることが重要です。ほかにナトリウムや葉酸も関係してますので、あまり深く考えず栄養素が豊富なものを摂取するよう心がければよいでしょう。
ビタミンB1をよく摂取している子供は学力が良かったという研究もあります。アルツハイマー病などにナイアシンやビタミンEを加えて摂取することで、改善したという話もあります。筋萎縮性側索硬化症はビタミンB1に加えて、マグネシウムやカルシウムが不足している人が多いという話もあります。
ビタミンB2について
ビタミンB2は物質や薬物の代謝に関係するとされています。私の仕事ではナイアシンと並んで結構重要なビタミンです。動脈硬化予防、成長ホルモン合成、トリプトファンからナイアシンに変換するときの手助けとして活躍します。
不足すると光過敏症になりますが、これは精神薬の禁断症状の一つでもあります。ビタミンB2はベジタリアン、抗生物質の長期投与、精神安定剤、ステロイドなどの長期投与、妊娠や授乳期などに減りやすいとされています。ビタミンB2が減ると光過敏症のほかに口の中の灼熱感、疼痛、舌のざらつき、口角炎、口唇などのぶつぶつ、体毛の喪失や禿頭などが出るとされていますが、これは精神薬の後遺症とかなり一致します。
B2とB6は同量とることが推奨されますが、これもこの二つに限ったことではないので、相互作用の重要性を理解していれば十分です。
ナイアシンについて
ナイアシン(ビタミンB3)は人の体内に豊富に存在しており、その一部は体内で整合性できるので、あえて食品から補給する必要はないと考えられてきました。しかし近年、そのような栄養素でありながらやはり不足しやすいということが分かってきたそうです。
ナイアシンを作り出すためには必須アミノ酸であるトリプトファンが必要です。この過程でナイアシンを作り出すと様々な栄養素を触媒として利用するため、できれば食品から直接摂取するほうが好ましいようです。ナイアシンは数百種類の補酵素として体内で機能します。
ナイアシンには精神を鎮める作用や幻覚や幻聴を緩和する作用があるとされ、アルコールの代謝にも関係しています。二日酔いの原因物質の一つであるアセトアルデヒドの分解にも関係しており、めまいや偏頭痛にも関係しているとされています。
ナイアシンは多量摂取によって胃の痛みや吐き気、下痢を引き起こすことがあります。また同様にナイアシンフラッシュと呼ばれる状態をもたらしますが、ナイアシンフラッシュの不思議についてはなかなかほとんどの人が理解できません。ナイアシンフラッシュは単なるアレルギーやヒスタミンだけで片づけられる問題ではなさそうです。
パントテン酸について
パントテン酸はビタミンB5ともよばれ、精神に深く関係していると称される栄養素です。またこのビタミンも他同様に性ホルモン、アセチルコリン、福神ホルモンなどの生合成を助ける作用があります。パントテン酸は多くの食品に入っているので、あまり欠乏の心配はいらないと栄養書には書かれています。
パントテン酸は食品加工、加熱に弱く、またカフェイン、サルファ剤、精神薬、アルコールなどによって損なわれてしまいます。また穀物の精製によっても半分近くの栄養素が失われてしまうといわれています。
ビタミンB6について
ビタミンB6は特に皮膚にとって重要なビタミンです。マグネシウム、葉酸などとともに神経伝達物質の補酵素としても働くので、皮膚と新計量法に作用します。案の働きにも不可欠とされています。アトピー性皮膚炎でもじんましんでも、精神状態と皮膚状態がリンクする人がいますが、そのような人は一般的に栄養状態に問題がある人が多いと思います。
ビタミンB6はそれ以外にも糖尿病の改善に役立ったり、赤血球の産生を促したり、免疫の正常化の作用があります。またグルタミンからGABAが作られる場合、ビタミンB6は補酵素として働きますので、ベンゾ系を飲んでいる人は着目したいビタミンです。