那向醒案


 見た目のためじゃないです。

 コーナーで遠心力に耐えられるプッシュアップ能力と、サドルに座っていても慣性力をなくさないためのできるだけ前方の重み。少し左に振るだけでコーナークリアのための向心力になってくれる重みと、空気抵抗によって上半身がかんたんには浮かないための重みと厚み。
 私の骨格は肘膝が内側を経由する曲がり方で、シートチューブに膝を擦りやすいため、下半身よりは上半身が重たいほうが、慣性力を得やすい。上半身に下半身がついていくほうが、膝を擦る問題を解決しやすい。
 現に、500kgのレッグプレスも一応アゲサゲできるほど太ももを太くした(70cm超え)のときにはワーストタイムを出したのに、130kg以上の肩や 90kg以上の胸をつくってからすこし空気抵抗に均したあとの今期にはベストタイムを出した。私は下半身より上半身を鍛えて瞬発的な加速を得られるタイプなのです。

 自転車は人力という少ない馬力をいかにうまく活かすかがカギなので、骨にのる重さの比率でもまた大きく変わってきます。カントや車体を利用するため、各種球技ほど見た目の動作を大振りにしなくていいですが、人力なのでやはり中身の筋力は大振りができる必要があるみたいです。

 トップクラスの陸上の短距離走者で、上半身を鍛えていないひとはまぁ居ないでしょう。腕の振りや下半身を宙空でも制するのに、全身の筋膜がいい感じに緊張して、いつでも往復動作のための跳ね返しを保障してくれるようでなくてはならないからです。あと、慣性力を得るためでしょうね。


 なんといっても骨格に基づいて、筋肉のバランスを考えねばなりません。

 お腹も腹圧かけてチカラが通りやすくできるのは大事ですが、あまり人を殺す武士ほど膨らんだ肚になってしまうと、自身の膝で自身の腹を何度でも打って痛苦とブレーキになってしまうのとあるので、ある程度は凹ませなくてはなりません。これも骨格、膝が外向きに曲がっているひとは膨らんでていいのです。腹には当たらないから。


 見た目のための筋量アップなんてやったことないつもりですけど、私の骨格で競技的によい身体をつくるとなると、いわゆるフィジークのような、見た目のよいとされる身体を目指すべきみたいなんですよね。

 

 おはようございます🙂