短足。
頭でっかち。
ただ、抜重というか、脱力はすごいできている。
太く見えてしまう。中身はそこまで太くなく、痩せているはず。
骨…。骨か…。
だいたいの獣は腹が柔らかいのが刃物持ちの人間からみて弱点のはずだが、骨のバランスが腕荷重に偏っているので、猫パンチみたいなことをされると懐に入り込めない。鎗なら懐に突けるかもしれないが、鎗ではそのとりまわしで遅くなる。
身体のおおきさをみせつけるために熊がたちあがることは熊の隙を突くチャンスではないのか。
立って歩くことが遅い熊は、立って歩くことが速い人間に何をされると弱いのか。大声で走り寄られる精神的なことのほかでは。
たとえば立った足に鎖をまきつけられると、けっこうあの短足では困るんじゃないかと思う。
立った姿勢での関節の向きの自由度も人間には及ばないし、手も人間より器用じゃないはずなので、理想的な鎖鎌で立った熊の脚を巻き取れたら、かなり有利になるのではないか。
ただ、鎖鎌を瞬間で何回転もさせるスペースや技量はかなり難易度が高い。
バチン!と体にまとわりつく金属板をかまえた特殊刺股が出ているようだから、あれで熊の下半身を縛れないか。
熊に対する合気道は開発できないか。
四脚があたりまえの熊が立つためにはキヲツケ未満のところでバランスをとらねばならないため、どことなく前かがみである。これを利用するとしたら。
熊の頭を狙って野球のピッチャーがボールを投げるに近い動きで手頃な重さのケトルベルを当てに行けば、もし熊がまた四脚に戻ろうとしてもそのケトルベルを途中で引いて垂直落下的に軌道を変えることで、とにかくもう、ケトルベルで狙った時点で熊の脳天か顔面にケトルベルを叩き込める確定が望めないか。
つまりまっすぐ立つ熊に対して、ヒトはかなりひねた構えで立つひつようがある?
熊に心臓を捧げそうな左腕を前にした半身で、右手にはケトルベル。左手には…鏡の盾でどうだろう。
鏡の盾で熊が自分の姿をみたら、たぶん熊はまずその虚像に立ち向かうだろう。そこで自身をまっすぐ狙わす向きを逸らすことができる。
鏡の盾に気を取られた熊の脳天か顔をめがけて、ケトルベルをぶち込む。もし避けられても中腰のまま、最も勢いを活かせる適確な部位…顔か心臓か股間か肩か腰か膝を狙いに行く。
とにかくどこか当てたらまたそこから適確にそのべつのどこかを狙い、滅多打ちにする。
これが熊に対する動きの型の可能性になる。
もしもケトルベルをそのようにふりまわすことが許される広い、誰にも迷惑をかけない場所であれば、最初は軽いケトルベルで、少しずつ型や肩などをつくりこんでいくと良いかもしれない。
もしもケトルベルの振り回す独特な舞を完成させられたら、肥えた個体でないならだが、ヒグマでも倒せるのかもしれない。最初の一撃が入るように、鏡の盾で熊の気を逸らすのが重要だ。夜では不可能ということでもある。
電熱ケトルベル、熊の御口にいかがでしょう。
熱湯マホービンを大きく開けた口に放り込む。
タールボールを口にあてがう。
タールバケツを顔にお見舞いする。
追記:
7字ごんぶとグリップつき巨大ピックで熊の両目を一突き?うん?目のまわり骨じゃないの?
日本刀があって熊が目の前で直立したらそりゃ熊の腹を切ればかなり有効だろうけど。そのためにはさまざまな地形で足を踏ん張れる足腰の鍛錬とか、踏ん張れるカンジキみたいなスパイク的な何かとか、きっと要る。それで目の前で直立したらの話ゃからちょっと割に合わない。
やっぱそりゃ柄の端を地面に突いて心臓を槍で一突きが、最も理想的だよなあ?
とにかく低姿勢で四脚のままくねくねと近寄られたら液体系以外ではどうしたらいいかわからん。
多関節のヘビのおもちゃ、意外と効くのかな…。
鞭で足首を斬ってやれたらな。
短足のくせにしっかり腰の入った馬歩だからなぁ…熊は…。ほかの四脚獣のと違って。
シャツを着るときのぶつかる部分を抽出した金属首腕腕輪なんか差し出して被せたら、わりと脱げずに苦戦してくれるかな。
熊の顔を拡大コピーしたものをその金属首腕腕輪に貼り付けると、巨大な熊と認識して逃げ出さんかな。
ビビらせたいなら巨大なバランスボールもわりといいのでは?
バランスボールに🌶塗りたくってずいっと差し出す。こっちはそれをつかみやすく、ふりまわしやすくしておく。
バランスボールカプサイシンパンチ!
ヒグマに対して、結構ワンパンマンになれるかも?
持ち手が電動ポンプになってて、いざというときにはあっという間に膨らむ。うーん。
自動車にすら襲いかかってくる巨大なやつはどうしょうもないんだよな…。
まさかのクマの山奥へのヘラジカ召喚。
ヘラジカを小さい頃から飼って…。餌代凄そう…。
巨大剣山、見参!
鎖剣山ボール二刀流。
紐付きバランスボール二刀流。
ふりまわせばかなりビビるかも。
向きがわかりやすい、ガン型熊スプレー。
向きがわかりやすい、エルゴデザイン熊スプレー。
斧が3つ並んだような手首を返させないし容易に噛ませないデザインの金属グリップつき熊手。牙、鼻、舌、指、爪、目、どれかには当たるでしょ、と。あとバンザイで振りかぶるとビビってくれそう。
ビビられなくてもそのまま振り下ろせば結構な威力。
しかし熊は間合いに敏感だろうということはわかっていなくてはならない。