届いているか久美子。

お前を守るために言えなかったこと、とうとう言わなくても伝わる日が来ているぞ。

13歳くらいで人権についてテレビのインタビューを受けて、なるほどテレビのVTRというのはこういうふうに編集するのかと体験した。
17歳で劇団の養成所に入所し、噂話のようにして腐った社会の話が伝わってきた。
20歳で東京でも仕事してみて、なるほど彼らが希望の光を見ているもの、怯えているもの、守ろうとしているもの、またその逆のもの、それらの空気に触れた。
24歳くらいから地元のほうでオーディションに合格することもあるようになり、地方と中央の違いを目の当たりにした…。

ほんとうは競輪選手になりたかったオレでも、関わった芸能界が少しでも良くなるよう、少しでも良くした見返りに生活可能なオカネを貰えるよう、闘うべき相手が誰なのかを見切ろうとしていた。そいつが見切れるまでは、そいつを叩けるまでは迂闊なことを素人に言うのは、ただの恐怖政治の拡張になるから言わずにいた。

トランプタワーから窓の外を見おろすトランプの遠い眼差しに光を見た。
トランプも決してその名において汚いことをやらなかったわけではないとは思っている。しかし名前というのはお前がオレを踏み台にしたように、いかようにも穢せるものだから、彼自身が汚いかどうかはほんとうには分からないものだ。
しかし、それをどう見るかだ。
感性をもって、人を判断することもときには必要で、理屈と利害関係からばかり人を判断していると、ほんとうにたいせつなものごとを遠ざけてしまう。
お前はオレを遠ざけた。
だが勿論、わしはお前らのすぐそばには居る。
毎日、お前らを挟み込むような範囲で活動している。

もう一度言う。

届いているか久美子。

お前らを守るために言えなかったこと、とうとう言わなくても伝わる日が来ているぞ。

お前がオレよりも明るくて爽やかで頼もしいと思った存在が、オレたちの努力や縁の下の力添えによって輝いていたこと、お前は知る必要がある。

子どもたちをお前は危険にさらしている。
お前のやり方は子どもたちを危険にさらすやり方だ。
もちろんそれでも可能な限りわしはお前らを守る。

新型コロナの真偽の動向もきちんと追え。
観たいものばかり観て見たくないものは観るだけで罪かのようにも思うかもしれないが、そこにも人間が映っているのは理解しろ。

オレがどんな社会情勢やどんな知っていること、言えなかったことのなかで、それでも誰の命や誰の未来を少しでも良くするためにお前への態度を選んだかにすこしでも思いをいたせ。

ほんものの悪党ってやつは逮捕されていくのだろう。
そうするとどうなる?
このシャバに残った、ほんものの悪党の悪のせいにしていた、準ほんものの悪党が悪党の筆頭になるんだぞ?
お前が頼りにしているベンゴシやそのベンゴシが頼りにしている組織が、その準ほんものの悪党でない保証がどこにある?
そして法廷で嘘を吐いたお前が準ほんものの悪党でないと立証できるか?
お前のやり方は子どもたちを危険にさらすやり方なんだよ。
理解したか?

反省のチャンスはあるはずだ。
トランプも反省のチャンスはたくさん与えただろう。
ほんとうの法律は、遵法者は勢いではなく理性による、反省のいとまを与える。
ボクだって反省すべき良くないことをしたことはある。反省して今がある。

ひとは生きる。

生きて、善悪の枝葉をどのように伸ばす。

トランプがほんものの悪党を駆逐しても、またほんものの悪党に伸びるやつらがいたら、また新たなカードゲームが始まらなくちゃならんのか?
お前はその伸びる悪党に勢いを与えたいのか?

届いているか久美子。

すべては案外、現実問題だ。
大人なら…解けよ。
とあるミカちゃんの歌詞みたいに、大人になることを諦めてんじゃねえよ。
親なんだろ。お前も。