ときどき「助けて」と久美子の声が聞こえる。 久美子のやっていることは違法行為だって犯罪者でない配偶者が言っとんのに、それを弁護士と名乗るものが無視していいとか言うたからって無視するような行為って、あのオトコきもーい、と言って富士の樹海に逃げ込んでおきながら、助けてという行為にひとしい。 どうにも助けられません。 まあ、面の皮突っ張った久美子は、助けてとも思っていないと思いこんでいるんやろうけどさ。 オレを信じて帰りゃいいだけの話だのに。