それは、女Aがほかの女Bと結託して、男Aの権限はすべて女ABCにあるのだと思い込んだとき。
 そのとき、女Aは蟻のごとき超個体生物と化し約3人分の恨みを買い、男Aから殺害されうる。しかしヒトなら誰もが気づかなくてはならない。それはつまり女Aや男Aが女Bや女Cに殺されたに等しい行為であるということに! つまり女Aと男Aの共通の敵がじつは女BCなのであり、その向こうに潜む男BCが黒幕だということに!!
 
 なるほどね。
 児玉和彦が黒幕だと思っていたが、ほかにもう一人男の黒幕がいるわけか。道理で一人か二人分の頑張りだけでは太刀打ちできないわけだ。
 敵は自分自身なんてよく言うけど、ちょっと違う。敵は自分自身をも含める、自分を裏切るまだ見ぬ何者かである。