弱音と丑三つどきの本音を構えて、わが本心は逃げ場をなくしてここに吐露される。

 なんでもできるようになりたい。なんでもできる素晴らしい人間になって、久美子を幸せにしてやりたい。

 結局、これが本心だ。
 でも実際冤罪被せられた身では、弱音と本音を適時吐き出さねば、その本心に、自分ですら気づけなくなる。

 今日で連勤何日だろう。
 育児なんてずっと連勤よ!と勝手に全員連れ去った身でも言うなら、配偶者にその勤めの給料の一部を慰謝料としてくれよ。…とまあ、こんな感じにね。本心は雑踏に紛れる迷子みたいにして隠れていく。