起業祭で家族の過ぎたまぼろしを探すのも苦しいから、あらかじめローソンでふたつフランクフルトなどを買って、祭では、いま大変な沖縄を想起するソバだけ買って食べた。
オレのいる部屋にはステージから若者の歌声が聞こえてくる。にぎやかでさわやかな音楽が聞こえてきたって、苦しくて悲しくて寂しくて切なくて狂おしいなか、今夜こそは懲戒用の資料作成をせねばなと戦うような気持ちでおもう。
"私は依頼人の言葉をそのまま提出しただけだから、何も悪くない。なんか文句あるんだったら裁判所で言ってくれる?私忙しいんだ" 渡辺晶子の説明は、要約するとそんなもん。
いやいや、テメーがテメーの名前つけて提出した書類だよ言葉だよ。テメーの責任になるんだよ。久美子が矛盾した発言したとしたら気づいてさすがに真偽を訊ねたり訂正したりしろよ!気づかない不注意、あるいは気づかぬふりはテメーの悪さだよ。オレは久美子が矛盾した発言したというより、テメーが率先して嘘を使ったと思っている度合いが強いんだぜ。
誰か別の女体にオレの慰め役をあてがおうと、女性という超個体生物が内輪もめをしている声が見える。オレにまた雑なモテ期が到来しそうな予感がする。そんなことより久美子に反省させろオンナドモよ!反省した久美子とならまた幸せに暮らしてみせる。幸神なんて地名でなくても、そうさ、幸せに暮らしてみせるから。
それか、神棚に幸神で拾うなにかでも御神体として置いて、幸神さまのおチカラを呼び寄せようか。あの頃はまだ少しはあった、たとえ貧しくても幸せになるんだという決意が、久美子にはいま圧倒的にたりていない。オレにはおそらくどんな手練のセクシー美女や清純処女よりも、反省した久美子が必要だ。
はよ幸神さまとオレに頭下げて帰って来い。バカ久美子よ。