私のブログをご覧のみなさま♥️いつもたくさんのアクセス、コメント、いいねをしていただき、誠にありがとうございます。
『夕夏のイメチェン回顧録!?』の第6章の後編ができあがりましたので、ここにUPさせていただきます😃💕❤️
例のごとく書いては消し、書いては消しの繰り返しで、3月には隊長登用試験があったとはいえ、第6章の前編をUPしてから4ヶ月も間が空いてしまい、本当に申し訳ありませんでした🙏💦💦
それでは、始めさせていただきます。
まるでお姉さんよろしく正面の鏡の上に“5”と記されたカット椅子に夕夏を座らせると、これから担当する30代前後の女性👩美容師に『じゃあ、お願いしまーす』と、まやがペコッと頭を下げる。
夕夏を担当する美容師も、ただいま施術中の美容師たちも、先ほどのやりとりを見ていたせいか、誰も夕夏に付き添うまやのことを怪訝そうに見る者はいない。むしろ、まるで妹の面倒を見るお姉さんのようなまやの立ち振舞いを微笑ましく見守っているように思える。
「今日はどうなさいますか?」
美容師が聞くと、
「……あ、あの……ショートカットでお願いします……」
と、夕夏が答えた。
「どんな感じにしましょうか?」
肩のあたりまで伸びた髪をアップにしながら問いかける美容師に、思わず『来たっ!』と心の中で小さく叫んでしまう夕夏。
一口にショートカットと言っても、ボブに近いのからアシメ、マッシュショート、刈上げベリーショート等、種類もさまざまだが、個人的な好みも含めたら、それこそ枚挙にいとまがない。
……ど、どうしよう……💧
こんな時に限って、携帯📱を忘れた(間違えたという方が正しい)ことが悔やまれるのだが、今更どうにもならない……。間違って夕夏の携帯📱を持って出かけた紗弥が大急ぎで引き返してくるとは思えないし、もし引き返してきたところで到底間に合うはずもない。
こういう時に限って、間が悪いことにヘアカタログ系の雑誌が1冊も本棚に残ってなかったときてるのだから、まさしく『泣きっ面に蜂』どころか、スズメバチの大群に襲われてどうすることもできない状況である。
「……えっと……そうですね……」
と言ってみたものの、肩より短い髪型にしたことがないだけに、ショートヘアに関する知識などそれほども持ち合わせてもいないし、咄嗟に思い浮かぶはずもない。
……ま、まずい……💧
いつまでも『……えっと……』で誤魔化すわけにもいかない。とりあえずは無難な線──傍らに立っている、まやのような耳掛けショートで行こうと夕夏が、
「あの……」
と言いかけるよりも早く、まやがウエストポーチ👝から携帯📱を取り出すと、
「ね、夕夏ちゃん♥️こんな感じなんかどうかしら?」
夕夏と、これから夕夏を担当する美容師に示して見せたのが、
──や、やっぱりぃ……😳💦💦
夕夏が怖れていた(?)通りというべきか、期待を裏切らないというべきか、まやの携帯📱に示されてたのは、桐葉女学園の“レジェンド”こと乙訓桃の姿だった。
おそらく卒業アルバムの個人写真を学園のHPからダウンロードしたのだろう。やや緊張した面持ちでも、にこやかな微笑みを浮かべている桃のヘアスタイルは、耳が見えるショートカットだった。前髪はやや長めで、ごくナチュラルな感じに流してあり、スポーティーでボーイッシュな感じでありながらも、うまく少女らしさをミックスさせている。
……これを……あたしが……。
いきなり耳出しショートってのは、第一候補として考えてなかっただけに、戸惑いの気持ちは隠せない。
そんな夕夏の気持ちを知ってか知らずか、
「……で、サイドがこんな感じで……♪」
まやが画像を切り替えると、今度はバスケ🏀の試合中──赤いユニフォーム🎽を着た桃の姿が現れた。相手ゴールめがけてドリブルしながら突き進む桃の横顔──斜め45度よりも、やや横向き──から見えるサイドは、刈上げではないが、耳が露出するスタイルになっている。
「……あの……まや先輩……」
消え入りそうな声で遠慮がちに、まやに言いかけるが、さすがにこのピンチを救ってもらってる手前(まやにはそんな気はないのだが)、あからさまに拒否するわけにもいかない。このあたりが、生真面目というか、何かにつけて貧乏くじを引きやすい損な性分といえた。
「大丈夫♪夕夏ちゃん♥️なら、断然似合うって……ね、美容師さん」
そんな夕夏の心の迷いを見透かしたかのように言いながら、まやが美容師の方を振り返ると、
「お客さまは背も高くて、颯爽とした雰囲気ですから、どちらかといえば短めのショートカットの方がお似合いだと思いますよ♪」
そう言って、美容師も頷いた。
「ですよねぇ❤️」
だって、レジェンドの再来ですもの……♪
口にこそ出さないものの、まやの嬉しそうな表情を見れば一目瞭然だ。
「襟足は刈上げますか?」
夕夏の肩にタオルをかけながら問いかける美容師に、
「あ、刈上げってのは、ちょっと……」
さすがに初めてのショートカットで刈上げっていうのには抵抗があった。なにしろ、肩より短い髪型にしたことないだけに、刈上げといえば凶悪なイメージにしか思えない。
「大丈夫よ♪夕夏ちゃん♥️刈上げったって、別にバリカンでワカメちゃんみたく“おかっぱ”になるわけじゃないから……♪」
またしても、まやが絶妙なタイミングでフォローする。
「えっ⁉️ そうなんですか……」
やや拍子抜けしたような、ホッしたような表情で聞く夕夏に、
「大丈夫です♪この画像の女の子👧と同じように鋏で刈上げますから」
ほんの少し長めにしておきますね……と言う美容師に、
「お願いします」
と、夕夏が頷いた。
「では、シャンプーする前にある程度カットしますね」
そう言うと、美容師は傍らのキャスター付きワゴンから真っ白いクロスを取り出すと、斜め後ろから着せかけるようにして、夕夏の目の前で広げた。この店のクロスは袖の付いたカットドレスになっている。夕夏は袖に両手を通した。
ここまでは、いつもの流れなのだが、今日はいささか勝手が違う。なにしろ人生初のショートカットになるのだ。これから体験するであろうすべてが、目新しくて、新鮮そのものなのだ。
美容師がマジックテープを夕夏の首の後ろのところで留めると、髪の毛をアップにしていたクリップを外した。肩の下あたりまでの長い髪がカットドレスの肩に広がる。
鏡に映る真っ白いカットドレスを着せられた自分の姿──これも、今日で見納めなのだ。
……いよいよ切られちゃうんだ……。
ちょっぴり名残惜しい気もしないわけではないが、悲壮感めいたものは微塵も感じなかった。むしろ、ショートカットという未知なる世界へと足を踏み入れることに対するドキドキ💓感の方が勝っていた。すぐそばに同じバスケ🏀部のキャプテン──まやがいてくれるのも心強かった。
人間とは勝手なもので、あれほど花怜や亜沙美には見つかるまいとヘタな変装(?)にまで身をやつしていたのに、まやが立ち会うことに対しては、それほどの抵抗も感じなかった。
おそらく花怜や亜沙美と違って、付き合ってまだ日が浅いせいだろう。
美容師が鋏を手に、夕夏の後ろに立った。
……チョキチョキ……チョキチョキ……。
静かに鋏が動く音とともに、真っ白いカットドレスの上を切り放された夕夏の髪の毛が滑り落ちていく……。長さにして10㎝あるなしといったところか……?
……チョキチョキ……チョキチョキ……。
耳からそう遠くないところで鋏が動く音がするとともに、夕夏は頭が少しずつ軽くなっていくのを感じた。
一通り肩に触れるか触れないかの長さまで切り落とすと、美容師が鋏を置いた。
確かに軽くなったとはいえ、肩の下あたりから、肩に触れる触れないかの長さになった程度では、それほど変化したとも思えなかった。
「じゃあ、シャンプーしましょうね」
そう言うと、美容師はカット椅子の背凭れを覆っていたカットドレスの後ろの裾を手に取って、夕夏に椅子から立つように促した。
……えっ⁉️
美容師の言動に、一瞬面喰らった夕夏だったが、とにかくシャンプー台に行かなければどうしようもない。
「夕夏ちゃん♥️立てる?」
まやが声をかける。
「大丈夫です。すみません」
と答えながら、夕夏がカット椅子から立ち上がった。クロスを着せられたままでシャンプー台に移動するなんて初めての経験だ。というか、いつもは先にシャンプーとトリートメントをしてからカットされてるだけに、粗切りとはいえカットしてからシャンプーされるなんて、それこそ未知なる世界だ。
……でも、これってまだ序の口なのよね……☺️💕❤️
ドキドキ💓わくわく😃💕な思いを胸に抱きながら、夕夏が美容師に案内されてシャンプー台に向かった。
(つづく)
いかがでしたか?ようやくのことで、夕夏ちゃん♥️のカットにこぎつけることができました……😅💦💦
なかなか遅々として進まないというか、夕夏ちゃん♥️を取り巻く人間模様を絡めながら書くのって大変ですね……って、書いてるの、私なんですけど……😅💦💦
いよいよ夕夏ちゃん♥️のショートカットデビュー、書いてる私も、今からドキドキ💓しています。一からお話を構築するのって大変なんですが、頑張って書いていきますので、これからもよろしくお願いいたします。
亜沙美ィーっ!😾💢💨(花怜)
茶目っ気たっぷりなショートボブといえば、亜沙美ちゃん♥️ですよね……😃💕❤️



