いつも私のブログをご覧のみなさま、たくさんのアクセスならびにコメント、“いいね”していただき、誠にありがとうございます。遅くなりましたが、『花怜のバッサリ体験録⁉』の第12章の後編ができあがりましたので、ここに投稿させていただきます。
亜沙美ちゃん❤が、夕夏ちゃん❤たちと個室のシャンプー台の中で身の上話に花を咲かせていた頃、舞彩さんにチョキチョキ😃✂✨してもらっていた花怜ちゃんは……♪
それでは、始めさせていただきます。
……やっぱ『かわいい』だなんて言われると、照れちゃうよね……😳もうっ、舞彩さんったら……やだぁ、どうしよう……顔から火が出そう……😳💦
椅子ごとすっぽり包み込む、薄いブルーの袖なしクロスを着せられたその身をキュッと縮こまらせるようにしてモジモジしているその姿は、花怜の思いとは裏腹に、かわいい女の子👧然たる雰囲気を醸し出していた。
もちろん実際には、身長だって155㎝あるし、夕夏みたいに大人びてはいないけど、童顔といわれるほど子供っぽくもない。だが、鏡越しに見る今の花怜は、ピンクのネックシャッター姿も手伝ってか、舞彩いわく『お子ちゃまみたい』と言ってもいいくらいに可愛らしかった。
……チョキチョキ😃✂✨チョキチョキ😃✂✨……♪
舞彩の操る鋏が、花怜をかわいいゆるふわベリーショートへと変身させていく。襟足部分を切り始めた時は、まだしっとり濡れそぼっていた髪も、少しずつ乾いてきてふわふわした感じになりつつあった。
舞彩が鋏を動かしていた手を止めて、傍らのワゴンからスプレーを手に取ると、シュッシュと適度に湿り気を与えてから、再びチョキチョキ😃✂✨と鋏を動かし始めた。
そんな様子を鏡越しに見ながら花怜は、
……それにしても、こんなに“ゆるふわ”が似合ってるなんて想定外だったわ……舞彩さんって、さすがプロよね……😃
と、妙なところで感心していた。
確かに耳元を微かに覆うようにして、少し丸みを帯びるようにしてふわふわしている感じは、花怜によく似合っていた。
亜沙美や夕夏と比べると、花怜の髪質はちょっと柔らか目なので、こんな風にパーマもせずに“ゆるふわ”な感じになるのだが、さすがにプロだけあって舞彩は、初めて会ったにも拘わらず、ひと目見ただけで花怜の髪質や特徴を知悉(ちしつ)していた。
亜沙美や夕夏のように固めで真っ直ぐな髪質だと、普通にカットしただけでは、いくらセニングして整えても、ワックスをつけて細工しても、花怜のようにふんわりした感じにはならないのだ。どうしても“ゆるふわ”にしたければ、それこそ軽くパーマをあてるしか方法がない。その逆もしかりで、花怜が亜沙美のようなショートボブにしようとしても、毛先がはね返りになったり、髪全体が膨らんだようになって、それこそ“頭でっかち”に見えてしまうのだ。花怜の場合も、ショートボブにするには、軽くパーマをあてた“ゆるふわ”ショートボブにするしかないのだ。もっとも、花怜自身、亜沙美や夕夏と似たりよったりの髪型にしたくなかったから、ボブにすること自体あり得ないのだが……。
こまめにブロッキングする位置を変えながら、舞彩が少しずつ上コームで掬い上げるようにしたり、指で挟んだりして切っていく。ほんの1時間ほど前まで、肩甲骨あたりまでのセミロングだったとは思えないほどの大変身ぶりに、
……きっと、ママびっくりするわね……間違っても怒ることないけど、きっと、また“あれ”に付き合わされるのよね……😔💨
母の怜奈が驚く顔を想像して心の中でほくそ笑みながらも、怜奈の趣味(?)である“あれ”に付き合わされることを考えると、思わず花怜はため息をついた。
そんな様子を鏡越しに見ながら、
「どうしたの、花怜ちゃん❤ため息なんかついちゃって」
舞彩が尋ねると、
「……いや、ちょっと……」
言うべきか、言うまいか迷っていた花怜だったが、
「……うちのママのことなんですけど……」
やがて意を決して口を開くと、
「もしかして花怜ちゃん❤のことを怒るとか……」
「いや、怒ったりしないと思いますけど……ただ……」
「ただ……⁉」
「……“あれ”に付き合わされると思うと……」
なんだか訳ありさながらな様子の花怜に、
「……“あれ”って……?」
亜沙美や夕夏なら、『もうっ、じれったいわね』と言いそうになるところだが、さすがにそこは大人と言うより、接客のプロだけに、花怜が話しやすいように敢えて自分の方から詮索はしなかった。
花怜も、そんな舞彩の気遣いを感じているらしく、ここまで話しておいて今さら後に退けないので、
「……うちのママ、コスプレ趣味なんです……やだっ!言っちゃったぁ……😳💦」
思いきって告白したが、やっぱり恥ずかしかったのか、カット中にも拘わらず、クロスにすっぽり包まれた体を縮こまらせるようにして、俯いて顔をブンブン横に振る。本当なら、赤くなった顔を両手で覆い隠したいくらいなのだが、さすがにそれはできなかった。
「……そうだったの……でも、そんなに恥ずかしがることないわよ。今の時代、コミケやハロウィン🎃とかで仮装する大人の人もいっぱいいるから……」
とりなすように言う舞彩に、
「……違うんです……ママがするんじゃなくて……」
力なく首を横に振りながら、
「……ママがあたしにコスさせるんです……アリスちゃんみたいなフリフリのエプロンドレスとか……😳💦」
花怜が顔を真っ赤にして俯いた。
「……そうだったの……⁉」
一瞬だけ言葉に詰まった舞彩だったが、
「でも、花怜ちゃん❤だったら、アリスちゃんのコス似合いそうだし、きっとかわいいと思うけど……うん😊💕」
かえって逆効果だったらしく、花怜のアリス姿を想像して、ひとり悦に入ったように頷いている。
……ちょっとマズかった……かも……😳💦
母親の趣味を舞彩に話したことを心の中でちょっぴり後悔しながら、ますます顔を赤くしていく花怜であった。
花怜の母親の怜奈は、看護師長として市内の総合病院に勤める傍ら、家事も手抜きせずにそつなくこなす、シングルマザーにしてバリバリのキャリア・ウーマンであり、花怜も心から尊敬している、憧れの存在だが、たったひとつだけ欠点(少なくとも花怜自身はそう思っている)があった。
それがコスプレ趣味──怜奈自身がするのではなく、娘の花怜にさせるのだ。
たった1人の我が子である、花怜のことが生き甲斐というか、何よりもかわいくて仕方がないのだろう。その溺愛ぶりは、猫可愛がり、いやそれ以上といってもよかったが、それとこれとは別問題である。
ネット通販やオークションで、色々な衣裳を手に入れてきては、
「ねえねえ、これ着てみて😃✨」
なんて、目をキラキラさせては花怜に迫るのだ。花怜の方も無下に断るわけにもいかないので渋々ながらも付き合ってはいるのだが、まるで母親の着せかえ人形みたいな気がして恥ずかしくてたまらなかった。
娘にコスプレさせるだけに留まらず、その姿をデジカメで撮ってはメモリースティックにコレクションしてるものだから、ますますもってタチが悪い。もしも、こんな代物が亜沙美や夕夏たちに見つかろうものなら、それこそ明日から学校に行けなくなる。もっとも、幼稚園の時からの付き合いなだけに、2人とも怜奈のコスプレ趣味のことは知っているし、実際にハロウィン🎃の時に怜奈の衣裳を借りてコスプレしたことがあるのだが……。
……やっぱり、看護師長って、ストレスたまるのかなぁ……?
日勤もあれば、夜勤もあるのは当然だが、時には若手の看護師たちのサポート役にもなってあげなければならない。そこへもって、娘(花怜)の面倒もしっかりと見てくれていることは、花怜自身が1番よく知っている。
それだけに、花怜の見えないところで、色々なものを抱え込んでいても何ら不思議はない。
そういったものが、ある日何らかの形でドッカーンと爆発🔥😭💣することを思えば、コスプレ趣味くらい大したことじゃないのかもしれない。
……だったら、自分ですればいいのに……
花怜自身、怜奈のコスプレではないが、ナース服姿はしょっちゅう見ているから、他の衣裳を着てみたところで、何ら違和感はないような気がする。いや、むしろバッチリ似合うかもしれない。なにしろ親子だ。花怜に似合うフリフリな衣裳が、怜奈に似合わないわけがない!
『ねえ、せっかくだからママも一緒にやらない?』なんて言えば、怜奈はどんな顔をするだろう?間違っても、怒ったりはしないだろうが、きっと照れ臭がるかもしれない。そもそも、レースがいっぱいのフリフリな衣裳を、自分で着るのが恥ずかしいから、娘の花怜に着せようとするのだ。親子だけに瓜二つとまではいかなくても、顔はよく似ているから、言うなれば自分の分身みたいなものだ(身長は怜奈の方が少し高いが)。
……今日は日勤だから、ちょうどよかった。今夜言ってみようっと……😏
花怜が心の中で密かにほくそ笑んでいると、
「でも、花怜ちゃん❤きっとお母さんも、自分でするのが恥ずかしいから、花怜ちゃん❤にコスさせてるのだと思うわ……」
いきなり舞彩にそう言われて、
「──えっ⁉」
と、花怜が驚いた表情をする。自分がようやくたどり着いた答えをズバリと言い当てるあたり、さすが接客のプロだ。総じて接客術に長けた者は、最高の心理学者でもあるというが、まさしく舞彩はその典型ともいえた。
……やっぱり……っていうか、舞彩さん鋭すぎ……💦
今更ながら、舞彩の洞察力の鋭さに舌を巻きながらも、
「でも、なんでだろ……?」
かすかに首をかしげながら、
「何も人前に出るわけじゃないし、自分の部屋でなら、あたしのこと気にしないでいくらでもコスできるのに……」
「それだけじゃ、心の隙間が埋まらないんじゃないかしら……」
ちょっとだけ顔を上げてね、と俯き気味だった花怜の顔を上げさせると、
「花怜ちゃん❤だって、1人で遊んでたって面白くないでしょ」
「……ええ……」
「お母さんだって同(おんな)じだと思うわ……一人娘である花怜ちゃん❤に理解してもらうことが、何よりも嬉しいのよ」
今度は左のサイドをブロッキングし始める舞彩に、
「──ちょ、ちょっと舞彩さん──⁉」
思わず花怜が目を丸くして聞いた。
「なんで知ってるんですか?あたしがひとりっ子ってこと……」
「あら⁉ 花怜ちゃん❤言ってなかった?」
ちょこっと小首をかしげるようにして聞き返す舞彩に、
「言ってません!」
花怜がきっぱりと首を横に振った。
「あ、じゃあ、亜沙美ちゃん❤ね😃昨日、カットしてもらいながら花怜ちゃん❤と夕夏ちゃん❤のことを色々話してもの😊♪」
花怜が首を横に振った際に少しズレたクリップの位置を直しながら、舞彩がにこやかに言った。
「……あのお調子者……あたしたちのことを勝手にペラペラと……😠💨」
クロスに包まれた中で思わず拳を握りしめた花怜に、
「まあまあ……花怜ちゃん❤落ち着いて……」
と、取りなすように舞彩言う。
「亜沙美ちゃん❤悪口なんか言ってなかったから……花怜ちゃん❤のことも、夕夏ちゃん❤のことも」
「そういう問題じゃなくて……」
花怜が懸念しているのは、亜沙美が自分のたちのことをあれこれ舞彩と芽愛に喋っているのかということだった。
そういえば、粗切りしていた時に、舞彩が花怜のことを“ネコ”と尋ねていた。レスビアンの亜沙美によれば、“ネコ”とはつまり受け手──女の子役だ。ということは、花怜がクラスメイトたちに可愛がられ(?)ていることを指すのではないか……?
それに、花怜が怜奈のコスプレのことを話した時も、舞彩はさほど驚いた風でもなかった。ということは、ある程度のことは察しがつく。
……あのおしゃべり、後で絶対お仕置きしてやっから……😡💨
そんな花怜の胸の内を見透かしたかのように、
「花怜ちゃん❤暴力はダメよ……亜沙美ちゃん❤だって、悪気は無かったんだから」
舞彩が宥めるように言うと、
「……ええ……わかってます……」
と、花怜が不承不承頷いた。
……やっぱ舞彩さん、鋭すぎ……💦
あらためて舞彩の洞察力に感心しながらも、
……こうなったら、もう半額とはいかなくても、せめてアイス🍨くらい奢ってもらおっと……♪
密かに心に決める花怜であった。
(つづく)
いかがでしたか?ほとんど花怜ちゃん❤の身の上話みたいになってしまい、肝心のチョキチョキ😃✂✨がお留守になった感じで申し訳ありません。でも、亜沙美ちゃん❤に夕夏ちゃん❤の私生活の一部を書いた手前、それじゃ花怜ちゃん❤も、って思ったもので……😅💦私的には、花怜ちゃん❤っていうか、女の子👧のコスっていいと思いますね。もうすぐハロウィーンだし……🎃

※おまけの画像。お話の中で登場した、アリスちゃんのコスプレといえば、もちろん花怜ちゃん❤ですね😊💕

あらら⁉ かわいいお嬢さん、もしかして小学校時代の花怜ちゃん❤ですか?
でも、昔っからアリスちゃんだったの⁉

赤ずきんちゃん、じゃなくてバレッタに扮しているのは、亜沙美ちゃん❤ですか⁉

女の子👧にとって名作といえば、赤毛のアンですよね😊衣裳も、ウイッグも、とってもお似合いですよ☺💕夕夏ちゃん❤
いよいよハロウィーン本番に向けて、3人娘のコスも本格化しちゃいますか!
亜沙美ちゃん❤が、夕夏ちゃん❤たちと個室のシャンプー台の中で身の上話に花を咲かせていた頃、舞彩さんにチョキチョキ😃✂✨してもらっていた花怜ちゃんは……♪
それでは、始めさせていただきます。
……やっぱ『かわいい』だなんて言われると、照れちゃうよね……😳もうっ、舞彩さんったら……やだぁ、どうしよう……顔から火が出そう……😳💦
椅子ごとすっぽり包み込む、薄いブルーの袖なしクロスを着せられたその身をキュッと縮こまらせるようにしてモジモジしているその姿は、花怜の思いとは裏腹に、かわいい女の子👧然たる雰囲気を醸し出していた。
もちろん実際には、身長だって155㎝あるし、夕夏みたいに大人びてはいないけど、童顔といわれるほど子供っぽくもない。だが、鏡越しに見る今の花怜は、ピンクのネックシャッター姿も手伝ってか、舞彩いわく『お子ちゃまみたい』と言ってもいいくらいに可愛らしかった。
……チョキチョキ😃✂✨チョキチョキ😃✂✨……♪
舞彩の操る鋏が、花怜をかわいいゆるふわベリーショートへと変身させていく。襟足部分を切り始めた時は、まだしっとり濡れそぼっていた髪も、少しずつ乾いてきてふわふわした感じになりつつあった。
舞彩が鋏を動かしていた手を止めて、傍らのワゴンからスプレーを手に取ると、シュッシュと適度に湿り気を与えてから、再びチョキチョキ😃✂✨と鋏を動かし始めた。
そんな様子を鏡越しに見ながら花怜は、
……それにしても、こんなに“ゆるふわ”が似合ってるなんて想定外だったわ……舞彩さんって、さすがプロよね……😃
と、妙なところで感心していた。
確かに耳元を微かに覆うようにして、少し丸みを帯びるようにしてふわふわしている感じは、花怜によく似合っていた。
亜沙美や夕夏と比べると、花怜の髪質はちょっと柔らか目なので、こんな風にパーマもせずに“ゆるふわ”な感じになるのだが、さすがにプロだけあって舞彩は、初めて会ったにも拘わらず、ひと目見ただけで花怜の髪質や特徴を知悉(ちしつ)していた。
亜沙美や夕夏のように固めで真っ直ぐな髪質だと、普通にカットしただけでは、いくらセニングして整えても、ワックスをつけて細工しても、花怜のようにふんわりした感じにはならないのだ。どうしても“ゆるふわ”にしたければ、それこそ軽くパーマをあてるしか方法がない。その逆もしかりで、花怜が亜沙美のようなショートボブにしようとしても、毛先がはね返りになったり、髪全体が膨らんだようになって、それこそ“頭でっかち”に見えてしまうのだ。花怜の場合も、ショートボブにするには、軽くパーマをあてた“ゆるふわ”ショートボブにするしかないのだ。もっとも、花怜自身、亜沙美や夕夏と似たりよったりの髪型にしたくなかったから、ボブにすること自体あり得ないのだが……。
こまめにブロッキングする位置を変えながら、舞彩が少しずつ上コームで掬い上げるようにしたり、指で挟んだりして切っていく。ほんの1時間ほど前まで、肩甲骨あたりまでのセミロングだったとは思えないほどの大変身ぶりに、
……きっと、ママびっくりするわね……間違っても怒ることないけど、きっと、また“あれ”に付き合わされるのよね……😔💨
母の怜奈が驚く顔を想像して心の中でほくそ笑みながらも、怜奈の趣味(?)である“あれ”に付き合わされることを考えると、思わず花怜はため息をついた。
そんな様子を鏡越しに見ながら、
「どうしたの、花怜ちゃん❤ため息なんかついちゃって」
舞彩が尋ねると、
「……いや、ちょっと……」
言うべきか、言うまいか迷っていた花怜だったが、
「……うちのママのことなんですけど……」
やがて意を決して口を開くと、
「もしかして花怜ちゃん❤のことを怒るとか……」
「いや、怒ったりしないと思いますけど……ただ……」
「ただ……⁉」
「……“あれ”に付き合わされると思うと……」
なんだか訳ありさながらな様子の花怜に、
「……“あれ”って……?」
亜沙美や夕夏なら、『もうっ、じれったいわね』と言いそうになるところだが、さすがにそこは大人と言うより、接客のプロだけに、花怜が話しやすいように敢えて自分の方から詮索はしなかった。
花怜も、そんな舞彩の気遣いを感じているらしく、ここまで話しておいて今さら後に退けないので、
「……うちのママ、コスプレ趣味なんです……やだっ!言っちゃったぁ……😳💦」
思いきって告白したが、やっぱり恥ずかしかったのか、カット中にも拘わらず、クロスにすっぽり包まれた体を縮こまらせるようにして、俯いて顔をブンブン横に振る。本当なら、赤くなった顔を両手で覆い隠したいくらいなのだが、さすがにそれはできなかった。
「……そうだったの……でも、そんなに恥ずかしがることないわよ。今の時代、コミケやハロウィン🎃とかで仮装する大人の人もいっぱいいるから……」
とりなすように言う舞彩に、
「……違うんです……ママがするんじゃなくて……」
力なく首を横に振りながら、
「……ママがあたしにコスさせるんです……アリスちゃんみたいなフリフリのエプロンドレスとか……😳💦」
花怜が顔を真っ赤にして俯いた。
「……そうだったの……⁉」
一瞬だけ言葉に詰まった舞彩だったが、
「でも、花怜ちゃん❤だったら、アリスちゃんのコス似合いそうだし、きっとかわいいと思うけど……うん😊💕」
かえって逆効果だったらしく、花怜のアリス姿を想像して、ひとり悦に入ったように頷いている。
……ちょっとマズかった……かも……😳💦
母親の趣味を舞彩に話したことを心の中でちょっぴり後悔しながら、ますます顔を赤くしていく花怜であった。
花怜の母親の怜奈は、看護師長として市内の総合病院に勤める傍ら、家事も手抜きせずにそつなくこなす、シングルマザーにしてバリバリのキャリア・ウーマンであり、花怜も心から尊敬している、憧れの存在だが、たったひとつだけ欠点(少なくとも花怜自身はそう思っている)があった。
それがコスプレ趣味──怜奈自身がするのではなく、娘の花怜にさせるのだ。
たった1人の我が子である、花怜のことが生き甲斐というか、何よりもかわいくて仕方がないのだろう。その溺愛ぶりは、猫可愛がり、いやそれ以上といってもよかったが、それとこれとは別問題である。
ネット通販やオークションで、色々な衣裳を手に入れてきては、
「ねえねえ、これ着てみて😃✨」
なんて、目をキラキラさせては花怜に迫るのだ。花怜の方も無下に断るわけにもいかないので渋々ながらも付き合ってはいるのだが、まるで母親の着せかえ人形みたいな気がして恥ずかしくてたまらなかった。
娘にコスプレさせるだけに留まらず、その姿をデジカメで撮ってはメモリースティックにコレクションしてるものだから、ますますもってタチが悪い。もしも、こんな代物が亜沙美や夕夏たちに見つかろうものなら、それこそ明日から学校に行けなくなる。もっとも、幼稚園の時からの付き合いなだけに、2人とも怜奈のコスプレ趣味のことは知っているし、実際にハロウィン🎃の時に怜奈の衣裳を借りてコスプレしたことがあるのだが……。
……やっぱり、看護師長って、ストレスたまるのかなぁ……?
日勤もあれば、夜勤もあるのは当然だが、時には若手の看護師たちのサポート役にもなってあげなければならない。そこへもって、娘(花怜)の面倒もしっかりと見てくれていることは、花怜自身が1番よく知っている。
それだけに、花怜の見えないところで、色々なものを抱え込んでいても何ら不思議はない。
そういったものが、ある日何らかの形でドッカーンと爆発🔥😭💣することを思えば、コスプレ趣味くらい大したことじゃないのかもしれない。
……だったら、自分ですればいいのに……
花怜自身、怜奈のコスプレではないが、ナース服姿はしょっちゅう見ているから、他の衣裳を着てみたところで、何ら違和感はないような気がする。いや、むしろバッチリ似合うかもしれない。なにしろ親子だ。花怜に似合うフリフリな衣裳が、怜奈に似合わないわけがない!
『ねえ、せっかくだからママも一緒にやらない?』なんて言えば、怜奈はどんな顔をするだろう?間違っても、怒ったりはしないだろうが、きっと照れ臭がるかもしれない。そもそも、レースがいっぱいのフリフリな衣裳を、自分で着るのが恥ずかしいから、娘の花怜に着せようとするのだ。親子だけに瓜二つとまではいかなくても、顔はよく似ているから、言うなれば自分の分身みたいなものだ(身長は怜奈の方が少し高いが)。
……今日は日勤だから、ちょうどよかった。今夜言ってみようっと……😏
花怜が心の中で密かにほくそ笑んでいると、
「でも、花怜ちゃん❤きっとお母さんも、自分でするのが恥ずかしいから、花怜ちゃん❤にコスさせてるのだと思うわ……」
いきなり舞彩にそう言われて、
「──えっ⁉」
と、花怜が驚いた表情をする。自分がようやくたどり着いた答えをズバリと言い当てるあたり、さすが接客のプロだ。総じて接客術に長けた者は、最高の心理学者でもあるというが、まさしく舞彩はその典型ともいえた。
……やっぱり……っていうか、舞彩さん鋭すぎ……💦
今更ながら、舞彩の洞察力の鋭さに舌を巻きながらも、
「でも、なんでだろ……?」
かすかに首をかしげながら、
「何も人前に出るわけじゃないし、自分の部屋でなら、あたしのこと気にしないでいくらでもコスできるのに……」
「それだけじゃ、心の隙間が埋まらないんじゃないかしら……」
ちょっとだけ顔を上げてね、と俯き気味だった花怜の顔を上げさせると、
「花怜ちゃん❤だって、1人で遊んでたって面白くないでしょ」
「……ええ……」
「お母さんだって同(おんな)じだと思うわ……一人娘である花怜ちゃん❤に理解してもらうことが、何よりも嬉しいのよ」
今度は左のサイドをブロッキングし始める舞彩に、
「──ちょ、ちょっと舞彩さん──⁉」
思わず花怜が目を丸くして聞いた。
「なんで知ってるんですか?あたしがひとりっ子ってこと……」
「あら⁉ 花怜ちゃん❤言ってなかった?」
ちょこっと小首をかしげるようにして聞き返す舞彩に、
「言ってません!」
花怜がきっぱりと首を横に振った。
「あ、じゃあ、亜沙美ちゃん❤ね😃昨日、カットしてもらいながら花怜ちゃん❤と夕夏ちゃん❤のことを色々話してもの😊♪」
花怜が首を横に振った際に少しズレたクリップの位置を直しながら、舞彩がにこやかに言った。
「……あのお調子者……あたしたちのことを勝手にペラペラと……😠💨」
クロスに包まれた中で思わず拳を握りしめた花怜に、
「まあまあ……花怜ちゃん❤落ち着いて……」
と、取りなすように舞彩言う。
「亜沙美ちゃん❤悪口なんか言ってなかったから……花怜ちゃん❤のことも、夕夏ちゃん❤のことも」
「そういう問題じゃなくて……」
花怜が懸念しているのは、亜沙美が自分のたちのことをあれこれ舞彩と芽愛に喋っているのかということだった。
そういえば、粗切りしていた時に、舞彩が花怜のことを“ネコ”と尋ねていた。レスビアンの亜沙美によれば、“ネコ”とはつまり受け手──女の子役だ。ということは、花怜がクラスメイトたちに可愛がられ(?)ていることを指すのではないか……?
それに、花怜が怜奈のコスプレのことを話した時も、舞彩はさほど驚いた風でもなかった。ということは、ある程度のことは察しがつく。
……あのおしゃべり、後で絶対お仕置きしてやっから……😡💨
そんな花怜の胸の内を見透かしたかのように、
「花怜ちゃん❤暴力はダメよ……亜沙美ちゃん❤だって、悪気は無かったんだから」
舞彩が宥めるように言うと、
「……ええ……わかってます……」
と、花怜が不承不承頷いた。
……やっぱ舞彩さん、鋭すぎ……💦
あらためて舞彩の洞察力に感心しながらも、
……こうなったら、もう半額とはいかなくても、せめてアイス🍨くらい奢ってもらおっと……♪
密かに心に決める花怜であった。
(つづく)
いかがでしたか?ほとんど花怜ちゃん❤の身の上話みたいになってしまい、肝心のチョキチョキ😃✂✨がお留守になった感じで申し訳ありません。でも、亜沙美ちゃん❤に夕夏ちゃん❤の私生活の一部を書いた手前、それじゃ花怜ちゃん❤も、って思ったもので……😅💦私的には、花怜ちゃん❤っていうか、女の子👧のコスっていいと思いますね。もうすぐハロウィーンだし……🎃

※おまけの画像。お話の中で登場した、アリスちゃんのコスプレといえば、もちろん花怜ちゃん❤ですね😊💕

あらら⁉ かわいいお嬢さん、もしかして小学校時代の花怜ちゃん❤ですか?
でも、昔っからアリスちゃんだったの⁉

赤ずきんちゃん、じゃなくてバレッタに扮しているのは、亜沙美ちゃん❤ですか⁉

女の子👧にとって名作といえば、赤毛のアンですよね😊衣裳も、ウイッグも、とってもお似合いですよ☺💕夕夏ちゃん❤
いよいよハロウィーン本番に向けて、3人娘のコスも本格化しちゃいますか!