私のブログをご覧のみなさま、いつもたくさんのアクセスをしていただき、誠にありがとうございます。
『花怜のバッサリ体験録⁉』の第11章の前編ができあがりましたので、ここに投稿させていただきます。
花怜ちゃん❤たちが誕生(?)して、はや3ヶ月……。今やイメージ画像まで作るほどに成長して、産みの親(?)として嬉しい限りです😄ちょっと感情移入しすぎかも……。
では、始めさせていただきます。



「花怜ちゃん❤後ろの方、こんな感じでいいかしら?」
舞彩がそう言って、鋏を腰に吊るしたシザーポケットにしまい、花怜の髪の毛をブロッキングしていたクリップを外すと、傍らのワゴンから折り畳み式の鏡を手に取り、花怜の後ろで合わせ鏡をしてみせる。
合わせ鏡に映る自分の後ろ姿──鋏で丁寧に丁寧に刈上げられた襟足、上に向かって少しずつグラデーションがかかるようにカットされ、ふんわりした感じに仕上がっている。
「はい。ありがとうございます😄」
満面の笑みを浮かべて花怜が頷いた。
同じベリーショートでも、夕夏の場合は、どちらかといえばシャープなイメージを強調しているのに対し、花怜の場合は、柔らかさをメインにした、ゆるふわな優しい感じになっている。
……パーマしてるわけでもないのに、なんだかふわふわしてる……♪
髪質が違うせいもあるのだろう。花怜の髪は、普通より柔らかめなので、同じ髪型(中学の頃のセミロング)にしていても、夕夏と違ってふわっとした感じになるのだ。逆に夕夏の場合、やや固めの髪質なので、どうしてもずっしり重たい感じになってしまう。
部活の決まりとはいえ、夕夏が他の部員たちよりも短く、耳出しベリーショートにしてるのも、こうした特徴を最大限に生かしてるからに他ならない。
小学校の頃からずっとセミロングっぽかっただけに、初めて見た時は本当にびっくり😲したが、今や耳出しベリーショートは、夕夏のイメージとして完全に定着している。さらに身長も165㎝と高い方なので、一層爽やかな印象を与えるのだ。
……女のあたしから見ても、すっごくカッコいいもんねぇ……😌💨
鏡越しに、隣の椅子に座って襟足のトリミングをしてもらっている夕夏を見ながら、感嘆のため息を洩らす花怜に、
「花怜ちゃん❤両サイドは耳掛けも、耳出しもできる微妙な感じに切っていきますね?」
舞彩が右サイドの髪をブロッキングしながら聞くと、
「お願いしまーす😊」
と、ニッコリ微笑みながら頷いた。

……ヴゥゥ~ンという音とともに、襟足の微妙なところを、トリマーでチュリチュリと撫でるようにして剃っていきながら、
「夕夏ちゃん❤は、いつからベリーショートにしてるの?」
芽愛が尋ねると、
「去年の4月からです。バスケ部の決まりなんで……」
と、鏡越しに夕夏が答えた。
「じゃ、それまではずっと伸ばしてたのね?」
「亜沙美みたくなかったですけど、ちょうど肩のあたりまでのセミロングでした。カットする前の花怜より、ちょっと短かったかな……?」
鏡越しに、右サイドの髪をブロッキングしてもらっている花怜をチラ見しながら、
「中学ン時は、3人ともテニス部だったんですけど、その時は髪を短くしろなんて決まりはなかったから、何となくな感じで伸ばしてたんですけどね……」
でも、似合ってなかったなぁ😔💨と、ため息を洩らす夕夏に、
「確かに夕夏ちゃん❤は、ロングよりショート系の方が似合ってるわね😃なんか凛々しいって感じがするもの……❤」
うなじのラインをトリミングしながら、芽愛が言うと、
「あ、それよく言われるんです……💦😳」
夕夏が恥ずかしそうに頷きながら、ちょっと頬を赤らめた。
事実、花怜や亜沙美だけでなく、他の友だち、バスケ部の先輩や後輩たちからも、しょっちゅう「凛々しい」だの、「カッコいい」だの言われるのだが、当の夕夏自身はなんだか複雑な気分だった。
別に貶(けな)されているわけでなく、むしろ褒められているとわかってはいるのだが、「凛々しい」とか、「カッコいい」というのは、どうしても男の子のイメージが先行してしまい、素直に喜べないのだ。
確かに5人姉妹の中で、1番運動神経がいいのは認めるが、間違っても自分が男勝りだとは思ってはいない。男勝りなのは、むしろ亜沙美の方だ。なにしろ、花怜にしつこく言い寄ってきた、ストーカーまがいの男子生徒をグーパンチ👊で撃退したのだから、人は見かけによらないとはよく言ったものだ。
「……あたしって、男の子みたいに見えるのかなぁ……?」
少し俯いたまま、ポツリと洩らす夕夏に、
「そんなことないわよ😄」
うなじに微妙な剃り残しがないか、指で触って確かめながら、
「夕夏ちゃん❤とってもかわいいわよ😊」
鏡越しに芽愛が言うと、
「ええ~っ⁉ ホントですかぁ?」
夕夏が疑わしげに聞き返した。
幼稚園や小学校の低学年の頃はともかく、小学4年生以降、周りの大人から『かわいい』などと言われた記憶がなかっただけに、夕夏としては、にわかに信じられなかった。
もっとも、思春期にさしかかる頃、つまり、女の子から少女に、少女からさらなる成長を遂げる頃には、『かわいい』から『綺麗な』とか『素敵な』という言葉にとって変わるのだが、やっぱり『かわいい』と言ってもらいたいのは、女の子、少女を問わず、女性にとって永遠の願いなのだ。
「夕夏ちゃん❤だけじゃなく、花怜ちゃん❤も、亜沙美ちゃん❤も、皆それぞれ違った魅力があるの……☺」
そう言って、うなじの微妙にはみ出た後れ毛を、トリマーでチュリチュリ剃りながら、
「夕夏ちゃん❤の魅力は、お化粧やおしゃれ✨💄👠するのと違って、夕夏ちゃん❤が無意識のうちに漂わせているものであって、夕夏ちゃん❤自身が意識してはいけないものなの……意識すれば、その時点で魅力じゃなくなってしまうの」
なんだか謎解きめいた芽愛の言葉に、
「意識しちゃったら、魅力じゃなくなる……⁉」
今イチ理解できそうで理解できない感じで夕夏が聞き返すと、
「そうよ☺だって、自分から自分のことを『かわいい❤』だなんて、触れ回る人って普通いないでしょ?」
「なるほど、確かにそうですよね……」
納得したように夕夏も頷いた。
「だから、夕夏ちゃん❤は、夕夏ちゃん❤でいればそれでいいの😉『凛々しい』っていうことは、それ即ち夕夏ちゃん❤の魅力ってわけ……はい、お疲れさま😄」
トリマーのスイッチを切って、腰に吊るしたシザーポケットにしまうと、芽愛が夕夏のクロスを外した。
「ありがとうございます😄」
タオルで、首筋に付いた細かい毛を拭き取ってもらいながら、夕夏は長年に渡って心のどこかに引っかかっていた蟠(わだかま)りのようなものが取れたような気がした。
自分は自分──つまり、菜月夕夏は菜月夕夏なのだ。都築花怜になれなければ、八木亜沙美にもなれない。自分は菜月夕夏として、菜月夕夏らしく生きていけばいいのだ!
……なんかウジウジ悩んでて、ホント馬っ鹿みたい……😅💦
そう思うと、なんだかスカッとした気分になった夕夏であった。
「はい、亜沙美ちゃん❤お待たせ~♪あっちでシャンプーしましょうね😄」
クロスを畳み終えると、それをチェストの2番目の抽斗(ひきだし)にしまいながら芽愛が亜沙美に声をかけた。
「は~い❤」
待ってましたとばかりに、嬉しそうな返事をしながら亜沙美が椅子から立ち上がり、鏡越しに「じゃあね👋」と、隣でチョキチョキ😃✂✨してもらっている花怜に手を振ると、さっき夕夏がシャンプーしてもらっていた、真ん中のシャンプー台に向かっていった。
「あ、あたしも♪」
襟足をスッキリしてもらった夕夏も、遅れじと椅子から立ち上がる。
「えっ⁉ 夕夏まさか……」
鏡越しに問いかける花怜に、
「そ、見学させてもらうの♪」
夕夏がニンマリしながら答える。
「もうっ、好きなんだから……😅💨」
苦笑いしながら言う花怜に、
「花怜も、カットが終わってお流しする時、見に行ってあげよっか?」
茶目っ気たっぷりに聞くと、
「結構です。あたしは夕夏たちの──」
「見世物じゃありません、でしょ?」
花怜が言おうとした台詞(せりふ)を先取りしてみせる夕夏に、
「あら、よーくわかってるじゃない😏♪」
おどけたように花怜が聞き返すと、
「そりゃ、幼稚園の時からの付き合いだもの……😉」
人さし指を立てて、片目を瞑ってみせる夕夏に、
「……あはは……」
「……ふふふ……」
花怜と舞彩がどちらともなく笑うと、
「……あはは……♪」
夕夏もつられて笑い出した。

「じゃ、亜沙美ちゃん❤椅子倒しますね」
「は~い♪」
防音効果のあるカーテンに仕切られたシャンプー台の中、芽愛が亜沙美の座っている椅子をゆっくり倒していく。
「首のところ痛くないですか?」
シャンプーボウルのクッション部分に、亜沙美の首を乗せながら、
「気分が悪かったら、遠慮しないで言ってね❤」
(亜沙美が)時おり子猫みたく甘えるほどに親しい間柄であっても、きちんとメリハリをつけて声をかける芽愛に、
「大丈夫で~す♪」
先ほど試着(?)していたサーモンピンクではなく、ミントグリーンのシャンプークロスを着せられた亜沙美がニッコリ微笑みながら言った。もちろん、襟のバイアステープを濡らさないように白いネックシャッターも巻いてある。
昨日の今日ではないが、ここのシャンプーもさることながら芽愛の優しい指遣いに、今やすっかり虜になってしまった亜沙美であった。
……お金が続くんなら、毎日でも来たいんだけどね……😔💨
蛇の道はなんとやらではないが、カット前のシャンプー中に、芽愛に自身の本質を見抜かれた亜沙美だが、わずかな時間のうちにすっかり骨抜きならぬ手懐けられてしまったことは言うまでもない。もっとも、経験値の差からすれば当然の結果なのだが……😅💦
「亜沙美ちゃん❤ガーゼ乗せますか?」
と聞く芽愛に、
「あ、いいです」
じき夕夏が来ますから……と、亜沙美がかぶりを振って答えた。
「……そうね❤」
そう言って、ニッコリ微笑みながら芽愛が頷いた。と同時に、
「お待たせ~♪」
と、カーテンを開けて夕夏が個室に入って来ると、いきなり仰向けになっている亜沙美の唇にチュッとキスをした。
「──!」
まだ経験値が少ないはずの夕夏にしては予想外の行動に、一瞬目を白黒させる亜沙美に、
「さっきのお礼😉❤」
夕夏が片目を瞑ってVサインしてみせる。それは、夕夏がシャンプーしてもらっていた時に、亜沙美と交わした約束──花怜のことを、これからもずっと陰なり日向なり守っていく──をあらためて確かめ合った証しでもあった。
「あら、夕夏ちゃん❤大胆~♪」
囃し立てるように言いながらも、そのキスに込められた夕夏の気持ちを感じ取った芽愛が頷くようにして微笑んだ。それを見て亜沙美も、
……ありがとう……夕夏、大好きよ……これからもずっと……友だちだからね……❤
と、誓いを新たにしながらニッコリ微笑んだ。


                                                   (つづく)


いかがでしょうか?夕夏ちゃん❤の襟足トリミングも終わり、ようやく亜沙美ちゃん❤のシャンプーに入ることができました。当初は8章ぐらいで終わると思ってたのですが、いつの間にか2桁超えしちゃいました(笑)挙げ句の果てには、スピンオフ編まで考えつつあるほどに……。
みなさま、我が娘ならぬ花怜ちゃん❤たちのことをこれからもよろしくお願いいたします。


※おまけの画像。ママのコスプレに付き合わされて、嬉しいような、恥ずかしいような微妙な気持ち……😔💨まだセミロングだった頃の花怜ちゃん❤です😄

バッサリ粗切りされたって、こんな感じかな……?ここからさらにチョキチョキ😃✂✨されて、かわいい❤ゆるふわベリーショートになるんでしょうね😉

ショートボブに変身する前の、ロングだった頃の亜沙美ちゃん❤になぞらえてみました。

自分は自分らしくいればそれでいい。この世にたった1つしかない大切な何かを見つけたみたいですね😊
『凛々しい』のもまた、魅力のひとつですよ😄夕夏ちゃん❤