かわせみやませみ。人吉駅で並んだ、赤と青と。いさぶろうしんぺい、かわせみやませみ。かわせみやませみは凝った意匠が旅心をくすぐります。駅前の「汽車弁当」の文字から溢れだす昭和の香りに包まれたなら、構内の機関庫もまた、それを盛り上げてくれるのです。それでは、かわせみやませみ号の車内へ。一つひとつの意匠が特別な列車であることと、その車中の人となる私を幸せな気持ちにさせてくれます。日本三大急流、球磨川の流れは輝くエメラルド。縁起切符で有名な、一勝地駅で小休止。入場券を買いました。アテンダントさんのおもてなしにも感謝です。球磨川の流れも緩やかに変わり、河口が近づいてくる頃、鹿児島本線、今は肥薩おれんじ鉄道の鉄橋が近づいてきて合流します。鹿児島へのルートが矢岳越えの肥薩線ルートから海沿いの鹿児島本線に変わり、今では九州新幹線がそれを担っています。鉄道技術は進化を続けています。熊本駅に到着しました。乗務員さん、安全運行ありがとう。そしてまた、人吉に向けて帰ってゆく、かわせみやませみ号。次の旅路の幸せをつくりに、アテンダントさんが乗り込んで行きました。このまま人吉に帰りたい気持ちを抑えながら、また次のまちへ。