岡山慕情。旭川に架かる、この細い橋を渡ってきました。細い。こんなにも細い建物に迎えられ、川の中洲を、無言でひたすら歩きました。川沿いのなんとも言えない 香ばしい風情に、しばし酔いしれました。中島遊郭。かつてこの辺りが遊郭だったと思わせる建物。消え行くのも、時間の問題でしょう。かつての賑わいが今すぐにでも甦ってきそうな路地。川辺へ下りる階段。込み上げてくる何かを感じながら、歩きました。そんな時の流れを、黙って見つめる川の流れ。お好み焼きの看板に誘われる気持ちを抑えて、何かを語りかけてくるような裸婦像に後ろ髪引かれつつ。岡山市東中島町、西中島町。京橋を渡る路面電車。路面電車は何も言わないけれど、この街の営みを、ずっと支えてきたのでしょうね。京橋のたもとには、岡山の街の中心だったことを示す里程元標があります。京橋周辺は、江戸から明治、大正、昭和と、水運陸運の結節点として栄えてきました。街の中心は、巡る時代と人々の暮らしとともに変わっていきました。……………………………………………そしてまた、今日も陽が暮れていきました。出会った街、出会った人。今日の日よさようなら、また会う日まで。