大歩危駅にて。美しい響き、オーボケエキ。日頃からオーボケをかましている私には親しみやすい駅名です。大股で歩くと危険だから字を当てた、とも言われます。ホケは断崖を示す言葉です。こちらにも祖谷渓のかずら橋のミニチュアがありますね。構内踏切から四国まんなか千年ものがたりを撮らえました。旅人は、だから汚なくしないのです。とは、大歩危駅のトイレが教えてくれました。静かな大歩危駅に軌条を滑る音が響くと、特急南風が通過していきました。あっという間に、深い山々に吸い込まれていきました。大歩危は、コナキジジイ発祥の地だとか。コナキジジイが駅長姿でお迎えしてくれました。駅前にして、急峻な山の始まり。四国まんなか千年ものがたりの彩り鮮やかな車体が四国山地の緑に映えます。これは吊り橋の跡でしょうか。崩壊しないものですね。耕して天に至る。ああ勤勉なるかな、貧なるかな。と昔、孫文が仰ったのはこのような風景のことなのでしょうか。そんなことをしみじみ考えながら、お帰りの時刻が近づいて参りました。またきてね。またきたいです。さらば、大歩危。