歌舞伎座。
その近くに、かつてこんな建物がありました。
真ん中に地下へ降りる階段があります。
三原橋地下街です。
空襲で焼けた銀座の瓦礫で埋め立てられた三十間堀川に架かっていた三原橋を再利用したもので、地下街と言っても橋の下をアーケード状にしたものでした。
なくなる前に撮っておいた写真です。

一期一会。
出会ったとき、別れが必ず来ること。
それを意識して生きていくことも必要なのでしょう。
反対側の出口の、橋の上にあたる部分です。
道路にアーチがかかっているのは、ここが確かに橋であった名残です。

面白いのは、三原橋の下にはさらに新しい地下道があって、
当時、歩いていると不自然な凹みがありました。
天井が下がっている頭上。
それこそが三原橋地下街です。

東京の地下開発は、既存の構造物との戦いです。地下に漂う昭和の香りも、うっかりしていると記憶の彼方に去っていきます。

会いたくなったときに、君はそこにいないのです。
昭和の香りは切なさをも連れてきます。