札幌から特急で1時間程の深川駅から。

留萌本線の旅に出掛けます。

留萌本線は深川から留萌を経て増毛へ至る70㎞弱の盲腸線です。かつては途中の石狩沼田や留萌から分岐する路線がありましたが、今はただひたすら終点に向かって、気動車が直向きに走っています。

♪♪♪♪
果てしない大空と広い大地のその中で
いつの日か 幸せを自分の腕で掴むよう
歩き出そう 明日の日に
ふり返るには まだ若い
ふきすさぶ北風に とばされぬよう
とばぬよう

思わず、松山千春さんの「大空と大地の中で」がハナウタになりかけます。

♪♪♪♪
こごえた両手に息を吹きかけて
しばれた体をあたためて…


ちっぷべつ。
チップは別ではありません。
秩父別と書きます。


マップ。
地図はこちら、ではありません。
真布と書きます。


いもしあ。
ではありません。明日萌です。
でも、これはNHKの朝ドラ「すずらん」で使われた架空の駅名です。本名を恵比島(えびしま)駅と申します。


峠下(とうげした)駅で対向列車と交換です。交換設備があるのは、ここと留萌駅だけですので増発は難しいですね。と言っても深川から増毛へ向かう列車は一日6本。

だんだん雪が深くなり、心細くなってきました。錆びた鉄、ピンチです。




さて、留萌を過ぎると、車窓は白と鉛色だけの世界へ。
曇天、日本海の荒波、雪。


アフーン。
阿分駅です。


深川から約一時間半の気動車の旅。
終着、増毛駅に到着しました。

雪深い港町、増毛をぶらり。
「高倉健さんの想い出を訪ねて、増毛駅へ。」 ←こちらをクリックしていただけたら幸甚でございます。

増毛駅の運賃表。
2016年度中に、留萌~増毛間が廃止との報道がありました。今度の冬まで、この鉄路はあるのでしょうか。


人もまばらな車内。
中吊りには、華々しく3.26北海道新幹線開業!
光と影。鉄路を維持するためには、乗る人が必要。その理屈は誰でもわかることですが…。



人生は駅伝だとか。
鉄道もそうなのでしょうか。乗る人がいなければ、タスキが渡せません。


広い留萌駅構内。
かつて、ここから国鉄羽幌線が発車していました。国鉄分割民営化直前の廃止。JR北海道に羽幌線のタスキは渡されなかったのです。


峠下駅に到着。
交換列車が遅れています。
30分以上、何もない無人駅で待ちぼうけ。

これが汽車旅の醍醐味なんですね。

でも、雪が…。
大丈夫ですかね。心細くなってきました。

列車交換を無事に終えて、深川駅に30分以上遅れて帰ってきました。町灯りにホッとします。

温度計は、思わず二度見。
マイナス11℃。

♪♪♪♪
生きることが つらいとか
苦しいだとか 言う前に
野に育つ花ならば 力の限り生きてやれ…

松山千春さんの大空と大地の中で。自分を見つめ直した留萌本線の旅でした。
人生のタスキを受け取ってもらうために、前を向いて歩かなきゃいけませんね。