もうこれ以上先へは、進めない。

留萌本線の終着駅、増毛駅にやってきました。

留萌本線の気動車が顔を真っ白にして、頑張って連れてきてくれました。

字面から縁起がよいと入場券を求める方もいらっしゃいます。

流石、増毛町さん。ナイスな駅名標。(こちらは国稀酒造さんに飾ってあったものです。)


さて、寒いけど歩きますよ。
駅舎を出ると、駅前旅館。
既に廃業されていますが、道路が整備される前はここから雄冬へ行く船が出ていました。波が荒いと欠航し、こちらで足止めされていた方もおられたことでしょう。


荒々しい空の下に鉛色の海が。
自然の厳しさを肌で感じます。
気温は-何℃ぐらいでしょうか。




豪商、旧商家丸一本間家。国の重要文化財。かつてニシン漁で大いに賑わった証です。留萌から分岐した先には羽幌炭坑もあり、賑やかだったことでしょう。

…冬はお休みで、誰もおりません。


こちらは昭和7年築の増毛館。お手軽なお宿として、復活営業中です。


町並みが雪に埋もれて、風情が増します。


雪をかき分けて。
最北の酒蔵、国稀酒造に到着しました。


暖をとらせていただきながら、親切なお店の方に中を案内していただきました。
この奥の広間は、亡き高倉健さん主演、1981年の映画「駅STATION」の撮影に使われました。

「駅STATION」のあらすじはこちら:Wikipedia


そして、この電話ボックスで健さんの電話シーンが撮影されたそうです。
下の写真が飾ってありました。かっこいい、健さん。


大切にこのポスターが飾られていました。

健さんに憧れます。
が、なりたくてもなれません。かつての姿を追いかけて、追いかけてはきたものの追いつくことはできません。いつまでも憧れのままです。
でも、健さんはスクリーンの中でいつでも男の生きざまを教えてくれます。そのうち健さんの歳を追い越す時が来ても、憧れは憧れのまま、健さんもあの頃のまま。

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駅前に戻りました。
駅前の食堂もロケに使われたものです。
今は観光案内所になっています。


私を増毛まで連れてきてくれた留萌本線も、留萌から増毛までの末端区間が2016年度中に廃止されると報道がありました。

明日を見つめて時は移りゆきます。高倉健さんの残像を重ねながら、最初で最後の留萌本線の旅になりそうです。

雪の影響で交換列車が遅れています。

それはそれで30分長く留萌本線と寄り添えるじゃあないですか!
お星様になった健さんからの粋なプレゼントかもしれません。

…やっぱり偉大な俳優さんだな、すごいな、健さん。