
運転席の横に、太宰治文庫が。
「僕は自分がなぜ生きていなければならないのか、それが全然わからないのです。」
そんな津軽鉄道に揺られて。
金木駅から7~8分程歩いたところにある斜陽館へ。
明治40年の近代和風木造建築住宅で国指定重要文化財。太宰治の生家であり、今は資料館になっています。太宰ファン、建造物ファン。それぞれのファンが楽しめる建物です。

太宰治は「苦悩の年鑑」の中で、「この父はひどく大きい家を建てたものだ。風情も何もないただ大きいのである」と著しています。


部屋や区画ごとの段が身分をあらわしているそうで、太宰治には上がることのできない場所があったそうです。

金の襖。

和の外観に洋の内装。ケヤキの階段。


入口には父が営む金融業の店舗。店舗兼住宅なのですね。

きれいな庭です。

周囲は堅牢なレンガ塀や柵で囲まれています。
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名残惜しいところですが、金木駅へ戻ります。

金木駅から斜陽館への道はメロス坂通りと名付けられています。

津軽鉄道金木駅にて。
観光アテンダントさんが乗降のお手伝いをなさっていました。その後ろ姿からあたたかさが伝わってきますね。

ヘッドマークは「走れメロス」!!

12月になればストーブ列車がお目見え。
しばれる津軽平野を、走れメロス。

太宰治のふるさと、金木。
斜陽館を訪ねて、太宰治の苦悩の一部分が伝わってきた気がしました。
ふるさと。
その土地に行くからこそ伝わってくる温度があります。それを感じられるのがふるさとなのかも知れませんね。