2014年2月

 

ラスティが我が家に来てから約9か月。

とんでもないやんちゃ坊主のラスティは、

想像以上にいろいろとやらかしてくれた。

家具はボロボロ、壁は噛まれ、掘られ、

関節を悪くしないようにと買った床に敷き詰めるクッション材も食べる。

マットの上にはおしっこするし、わたしの大事なものはほとんど破壊された。

仕事から帰ると家の中は毎日ぐちゃぐちゃになっていて、

そのぐちゃぐちゃの中で、

ちぎれんばかりに嬉しそうにしっぽを振るラスティはとても幸せそうだった。

 

わたしはなんだか複雑なキモチで、

そのぐちゃぐちゃになった部屋を毎日片づけていたのを覚えている。

 

その悪さはどうしたら治るのか。

真剣に悩んだが、あの手この手を使っても状況は変わらない。

ゴールデンを飼っている人に話を聞くが、

「2歳まではやんちゃだよ」と言われ、

あと1年我慢するのか…、と落胆した。

だからと言って仕事を辞めるわけにもいかない。

 

悩みに悩んだ末、もう一匹迎え入れようという結論に至る。

遊び相手がいたら少しは落ち着くのではないか

という、なんとも短絡的な考え方である。

 

根っからのゴールデン好き故に、もう一匹もゴールデンにしたい

キモチはヤマヤマだったが、

まず、

もう一匹のゴールデンもラスティみたいにやんちゃだったらどうするか

という問題と、

ひとりでゴールデン2匹をさんぽに連れて行けるのか

という問題、さらに、

ゴールデン1匹で家計がかなり圧迫されるのに、2匹になったら生活できるのか

 

いろいろ考えるとふつうに現実的でないという結論に至ることは容易であった。

 

じゃあ、どうするか。

現実的に考えたら、小型犬が適している。

しかし先住犬があのやんちゃなラスティ。

しかもラスティは生後1か月半で我が家に来たので、

子犬との遊び方をわかっているか疑問だった。

加えて、図体だけは一人前だが、ラスティ自身がまだ1歳になっていなかった。

 

わたしは最悪の事態を考えた。

 

もし小型犬にして、

わたしのいない間に遊ぼうとして咥えて振り回しでもしたら…

遊ぼうとしてじゃれたつもりだったのに、力加減を間違えて思いっきり噛んでしまったら…

座ろうとしたところにチビがいて、踏んづけてしまったら…

 

帰ってきたとき、チビが死んでしまっていたら、

ショックすぎて生きていけない。

 

でも、現実的に考えてわたしが飼えるのは小型犬。

 

かなりいろいろと考えた末、ひとすじの光を見出した。

 

そうだ、こうなったら、筋肉にしよう。

 

筋肉とは、

小さいが筋肉質のイヌのことである。

 

そこでわたしは犬種を3つに絞った。

・パグ

・ボストンテリア

・フレンチブルドッグ

 

遠い昔、真っ黒いパグはかわいいと思ったことがあった。

しかし、わたしは、

基本的に筋肉はイヌだと思っていない。

 

知り合いにフレブルを2匹飼っている人がいて、一度だけ、その2匹に会ったことがあったが、

 

「ブヒ ブヒ フゴッ」

 

と言っていた。2匹とも。

 

あれはイヌではない。

カオもブサイクだった。

 

しかしこうなったら仕方がない。

イヌだと思って飼うしかない。

 

そんなこんなで筋肉を探す。

探しまくった。

とにかく、愛せないと困るので、なるべくかわいいと思えるコ。

 

探し始めて気がついたことがある。

 

筋肉は、高い。

筋肉にすると、だいぶ予算オーバーしてしまう。

なるべくかわいくて、お値打ちなコを探した。

 

様々な過程を経て、

3月、うちに来るコがようやく決まった。

 

ウシ柄のフレンチブルドッグ。

職場の近くのペットショップでみつけた。

ネットで探して、見つけたのが土曜日。

職場は高速を使って片道1時間半のところにあったので、

容易にそのペットショップへは行けない。

フレブルはなぜだか人気の犬種ということで、高いわりに売れてしまうのも早い。

 

日曜日もモヤモヤした気分で過ごした。

月曜日、仕事が終わってからそこへ行き、もし、その子がいたら決めよう、と決めた。

 

月曜日になって、仕事が終わってペットショップに行ったら、

その子はショーケースの中で眠っていた。

安心はしたけど、昔から実家で長毛種ばかりを飼っていた人間としては、

短毛種がどうも受け入れられない。

 

ひとまず抱っこさせてもらうことにした。

抱っこはさせてもらったが、かわいいのかどうなのかよくわからない。

なんだか、今まで見たこともないエイリアンみたいな。そんな生きものだった。

 

愛せないかもしれない。

 

もし飼ってしまって、ラスティばかりをかわいがってしまったらどうしよう。

この子がラスティとうまくやっていけなかったらどうしよう。

経済的に2匹も飼って大丈夫なのか?

さんぽに2匹も連れて行けるのか?

 

様々な不安に押しつぶされそうになり、決められなかった。

 

キープができるというので、ひとまずキープしてもらうことにして、その日は帰った。

猶予は1週間。1週間以内に決めなければいけない。

 

しかし、帰りのクルマの中で、迎え入れた後のことばかりを考えている自分に気づいた。

きっともうわたしの中で覚悟は決まっている。

 

数日後、ペットショップに連絡し、3月23日にお迎えに行く旨を伝えた。

 

こうして、我が家に2匹目のイヌがやってきた。