
生田斗真である。 もう、この男である。
原作漫画を読んでいるならなおさら、「矢野」は生田斗真しかいないのである。
なんでもアリなクラスの人気者「矢野」と、彼をとりまく人々との人間ドラマ、
そう、この漫画は、ただの惚れたはれたな「少女漫画」などでは決してなかった。
そして、映画もその世界を少しも壊すことなく、完全に再現してみせた秀作であった。
以前、同じ劇場で観た「ヒミズ」は、ぞっとするほどに「愛情」が欠落していた。
そして誰もが心を病んでいる映画だった。
しかしこの「僕等がいた」には、正しい「愛情」があふれ、思いやりと優しさに満ちている。
なのに人々はこんなにも悩み、悲しみ、つらい経験を繰り返す。
「愛情ってなんだ? 人間ってなんなんだ?」
そんな思いが頭をもたげる。
でもそんな「おみやげ」を持たされる映画って、やっぱり観た甲斐があったってことで、
そんないい映画に出会えて、本当に嬉しい。
A・M