【書評】ユーラシアの世紀  | ロシアで働いていた元料理人のブログ

【書評】ユーラシアの世紀 

■ユーラシアの世紀 ~民族の争乱と新たな国際システムの出現
秋野豊



著者の秋野豊氏は、1998年にタジキスタンで殉職した外務省員。
あれからもう干支が一巡してしまうくらい時が過ぎました。
氏が殉職したのは42歳、本厄。
私ももうすぐ彼と同い年になる。
本当に早いものだ。


98年、私はモスクワにいました。
このニュースは、やはりショックでしたね。


この本は、秋野氏の生前の論文を、支援者の方が中心にまとめたものである。
内容は、現場重視の氏らしく、表に出てこないリアルな生が書かれている。
彼の研究の成果は素晴らしい。
だが、研究を評価するということよりも、彼のような人がいたのだということを忘れてはならない。


残念なのは、彼が願ったロシア、中央アジアの情勢は全く変化していない。
平和なんか来ていない。
民族紛争は、彼らのアイデンティティであり、歴史なのだろうか。
あの大きな大陸の中では、流れに任せるしかないのであろうか。


私も再度、中央アジア、旧ソ連諸国を訪れる日が来るだろう。
その時は、今より少しでも笑顔の人と触れ合えることを心から願う。



■気づき・共感

・中央アジアの独立という現象は、一般的にはかつて漢や唐とローマ帝国とを結びつけたシルクロードの復活という形で、地理上の発見以来忘れられてきた東西の軸の形成としていま注目されているが、それと同様にこれから重要になってくるのは、南北の垂直の軸を完成させるつなぎの役割なのである。・・・ここに一つのシステムが生まれつつあるといってよい。(P23)


■秋野豊詳細

秋野豊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

秋野 豊(あきの ゆたか、1950年7月1日 - 1998年7月20日)は、日本の政治学者で、元筑波大学助教授。専門は、ロシア外交、中央アジア政治。

北海道小樽市生まれ。北海道小樽潮陵高等学校を経て早稲田大学政治経済学部卒業後、北海道大学法学部に学士入学。同大学大学院法学研究科で、第二次世界大戦中の英ソ関係を研究し、1983年、法学博士号を取得。北海道大学助手、在モスクワ日本大使館専門調査員を務めた後、1986年から筑波大学で教鞭をとる。1998年、筑波大学を辞職し外務省に入省、国連タジキスタン監視団に参加する。同年7月20日、現地で襲撃に遭い、殉職。


■秋野豊ユーラシア基金
http://www.akinoyutaka.org/