オーディオ機器を載せる「ラック」です。
写真を送ってくださったのは、永尾さん。
一見すると、バーチ耐水合板を使ったきれいな大型ラック。
でも、永尾さんから届いた説明には、
「ただの棚ではありません。」
とありました。
この言葉が気になって、詳しく読んでみると面白い。
これは、見た目だけで設計された家具ではなく、音を考えてつくられたオーディオラックでした。
幅1700mm、3段×3列の大型ラック
サイズは、
幅1700mm × 奥行450mm。
実質3段で、横に3列。
棚板には21mmのバーチ耐水合板を使用しています。
ラックにはレコードプレーヤーやアンプなどのオーディオ機器が載ります。
棚板の角を見ると、バーチ耐水合板らしい積層断面がきれいに見えています。
角は丸く加工され、表面もきれいに仕上げられています。
柱にも理由があります
棚板を支えている丸い柱は、ゴムの木の集成材。
旋盤で円柱に加工されています。
長さは、
200mm、150mm、そして最下部が50mm
接続にはM5のセットボルトを使用。
棚板にはボルトが収まるように加工されています。
【ボルトの写真】
大川市の木工所でNC加工し、ヤマソ工芸で塗装されたとのことです。
こうして工程を見ると、単純に棚板と柱を組み合わせただけではないことが分かります。
なぜ21mmのバーチ耐水合板なのか
ここが今回、一番面白かったところです。
永尾さんは、オーディオを始めて57年。
さらに現役時代には、店舗や商業施設、文化施設などの施工に携わり、家具の設計も数多く経験されています。
その永尾さんが、今回のラックにバーチ耐水合板を選んだ理由。
強度があり、硬い。
それだけではありません。
永尾さんによると、
「振動の流れが良くて、柱を通して床に逃がします。」
とのこと。
つまり棚板だけを見るのではなく、
オーディオ機器 → バーチ耐水合板の棚板 → 柱 → 床
という振動の流れまで考えて設計されています。
だから、
「ただの棚ではありません。」
なんですね。
MDFではなく、バーチ耐水合板
市販のオーディオラックには、MDFに塗装したものも多くあります。
永尾さんは、今回それを選びませんでした。
長年オーディオを続けてきた経験から、材料によって音の感じ方に違いがあると考え、今回のラックにはバーチ耐水合板を選ばれています。
これは材料屋の私たちにとっても興味深い話です。
「硬いから」
「丈夫だから」
「積層断面がきれいだから」
という理由だけではない。
音を考えてバーチ耐水合板を選ぶ。
こういう使い方もあるんですね。
完成。そして結果は「上々」
永尾さんによると、納品後の結果は、
「上々のようです。」
とのこと。
オーディオ歴57年。
家具設計の経験。
そして、バーチ耐水合板、ゴムの木の柱、ボルトによる接続。
それぞれに理由があって、この形になっています。
材料の先にあるもの
ここ数日、お客様から送っていただいた作品を続けて紹介しています。
カヌー。
ローイング・ボート。
スピーカー。
そして今回は、
オーディオラック。
同じバーチ合板でも、使う人によって選ぶ理由が違います。
今回のように、
「なぜ、この材料を使ったのか」
まで教えていただくと、材料を販売している私たちにも新しい発見があります。
永尾さん、写真だけでなく、設計や材料について詳しく教えていただきありがとうございました。
これからも、
「こんな理由でバーチを使っています」
という作品がありましたら、ぜひ見せてください。
つくる人を、もっと自由に。
ANYONE DESIGN®
株式会社テツヤ・ジャパン
































