独学で始めた方は一通り基本的な文法を覚えた後、いざ小説や新聞記事を読んでみようとしても何故か全く読めないという現実にぶち当たったことはありませんか?能力検定試験2級から1級への高い壁を感じたことはありませんか?


私自身がそうでした。

私も社会人になってから独学でロシア語を始めたため勉強の仕方がわからないまま時間ばかりが過ぎ、なかなかロシア語と本気で向き合えませんでした。


 しかし、ある時とあるロシア語の先生が1冊の文法書を勧めてくれました。絶版になった古い本なのでネットで探して古書を買いました。何周も何十周もその本を読み込むうちに少しずつロシア語への理解が深くなりました。

それが磯谷孝著「ロシア語作文教程」です。


 

 

私はこの本の効果を実感してからは好きなだけ書き込めるようにとそれまで持っていた古書1冊に加え、永久保存版にもう1冊買い足しました。


この本は2部からなり、1部は基本的なS+V構文から始まり、使役、受動、比較、等々・・文法説明はなく、とにかく様々な例文が羅列された内容になっています。2部では逆に著者の肝いりの説明付きの翻訳例が載っています。


この生地は洗いがきく

Эта материя хорошо стирается.


今にも雪が降り出しそうだ

Небо грозит снегопадом.


各人それぞれの物を好む

Кто что любит.


ここへ顔を出す人は滅多にいなかった

Сюда редко кто заглядывал.


この文章を初めて見た時、私は全く意味がわかりませんでした。そして何故自分が全くロシア語を聞き取れないかわかった気がしました。


頭を捻って考えるより、そう言うものだと覚えてしまう。結局ただ知ってるか知らないかと言うだけの違いがロシア語の高い壁になっているんだと感じました。