日本のロシア語関連の試験は2つあります。(ロシア政府のТРКИはここでは省かせて頂きました。)

1つは日本唯一の語学系国家資格【全国通訳案内士】、もう1つは民間資格【ロシア語能力検定試験】です。


【全国通訳案内士試験とは】

10ヶ国語から好きな語学を選択し、誰でも受験することが出来ます。語学科目の他に日本地理、日本史、一般常識、通訳案内の実務の4科目が必須となります。年に一度8月に筆記試験が行われ、5科目全ての合格者だけが12月に行われる二次口述試験に進むことが出来ます。1科目でも不合格があれば結果不合格となります。ただし、翌年1年だけ前年の合格科目を持ち越すことができます。12月の二次口述試験後の最終的な合格発表は翌年2月です。合格率は多少変動はありますが、ロシア語に関しては毎年概ね10%程度です。また、この試験は国家資格の為、合格者名は官報に掲載されます。

(ちなみにロシア語試験は2020年より、記述式からマークシート式に変更となりました。私が受験した時期は記述式だった為、このブログでご紹介する勉強法は記述式時代のものとなります。誰かの勉強のヒントになったら嬉しいです。)


【ロシア語能力検定試験とは】

ロシア語能力検定委員が主催する民間試験で、レベルが高い方から1級、2級、3級、4級が存在します。毎年5月に3級、4級のみが、10月に全ての級の試験が行われます。ただ、英検等と違って二次面接はありません。半日の試験で全て完結するのである意味合理的です。

能力検定試験は全問記述式(文法、和文露訳、露文和訳、リスニング、口述作文)、全ての項目で正答率6割以上で合格となります。仮に4項目が満点でも1項目が6割を切ると不合格となります。また文法問題では単語のスペルが違ってたら不正解と大変厳しいです。


以前は通訳案内士試験の方が能力検定試験1級より難しいと言われてきましたが、今は一概にはそうとも言えません。まず通訳案内士試験にはリスニングがありません。あるのは二次口述試験での面接です。これは「リスニング」ではなく「会話」です。一方で能力検定試験1級のリスニングは単語、文法ともに複雑で、リスニングが苦手な人には後者の方が遥かに難しいです。


両試験とも同じロシア語能力を問われますが、それぞれ違った対策が必要です。