名作解説集『くるみ割り人形』vol.4

メリークリスマス🎄😊

皆さまいかがお過ごしですか？？

少し間が空いてしまいましたが、クリスマスということで、今日はくるみ割り人形シリーズの最終回【ディベルティスマンについて】書きたいと思います⭐️

まず☝️

前回までのblogでもお話ししましたが、くるみ割り人形には様々なバージョンがありますよね

第2幕の設定も「お菓子の国」や「人形の国」など比較的ベーシックなバージョンの中でも分かれます。

ロシアは人形の国が主流です。共産主義時代、お菓子は贅沢の象徴だからと人形の国になったという説も。

【ディベルティスマン】というのは、物語の本筋には影響のでない【余興】という意味なので、お菓子でもお人形でもどっちでも良いということになりますね😅

これから新しい「くるみ割り人形」を演出しようとお考えの方！全く違う【ディベルティスマン】というのも面白いかもしれません

話がそれましたが、、

【ディベルティスマン】は9つの舞踊パートで構成されています。

チョコレート🍫

コーヒー☕️

お茶🫖

トレパック🪆

葦笛🥧

ギゴーニュおばさんとポリシネル(子供たち)

花のワルツ🌸

グランパドドゥ

アポテオーズ

そうです！

プティパ氏からの作曲指示書の中にはなんとグランパドドゥまで入っちゃってます

余興扱い！？

という感じですよね

これもまた初演時の演出の時のものですので、ストーリーの本筋には影響が出ない設定のバージョンだったと理解できます

あまり人気が出なかったという

チョコレート🍫=スペイン🇪🇸の踊りでは、

キャラクターダンスの要素が組み込まれた振付も良く見られます！

曲も4分の3拍子でスペインの踊りの特徴的なメロディになっているので、踊る際にはキャラクターでのスペイン特有のポールドブラを取り入れてみても良いかもしれませんね

コーヒー☕️=アラビア/東洋の踊りではどうでしょう？

こちらもキャラクター要素満載です

キャラクターダンスでのアラビアや東洋踊りでは、主に女性が踊るものが多く、とても女性らしい動きで踊るのが特徴的です。手のひらまでを滑らかな波を描くように動かしたり☝️

結構疲れますが曲の雰囲気を表現するのにとても役立つと思います

動きが出来上がった背景に、その国や地域の民族性や文化が反映されているので、その辺はまた別の回で深く掘り下げますね

中国のお茶🫖

こちらは音楽の中に中国風一鈴などを使うようにとプティパ氏から作曲指示が出ていたそうです。

トレパック🪆

↑マトリョーシカをつけてありますが、トレパックはウクライナとロシアのスロボザン地方の民族舞踊にあたります。

どっちなんだ！？という感じですよね

ロシアは現在の国境になるまで様々な時代を経てきています。その中で国境が分けられたり統一されたりする中で、同じ民族でも国を跨ぐことも。

ロシアの歴史についてもまた別の回で書いてみたいと思います

どちらにしてもトレパック特有のステップや腕の動きなど満載ですので、踊る際には意識してみても良いですね

葦笛の踊り🩰

葦笛はフランス語ではミルリトン。

それを持って踊るのが葦笛の踊りですが、ミルリトンというフランス・ノルマンディ地方に伝わる伝統菓子にもミルリトンというアーモンド味のタルトもあるそうです🥧←だからこの絵文字

ギゴーニュおばさんとポリシネル

当初、ポリシネル(子供たち)は32人という設定でした

この人数がスカートから出てくる設定って凄いですよね

きっと衣裳というよりも舞台装置というイメージですね。でも物理的に結構大変そう😅

花のワルツ🌸

これはもう王道ですよね！バレエをやっていない人でも、この音楽を聴いたらバレエ音楽だと気づいてくれるくらいくるみ割り人形と言えば！という存在感です✨

もともと、グラン・バッラービレ(grand ballabile)= “舞踏会のように大人数で踊る華やかな踊り”としてプティパ氏からの作曲指示があったもので、36組の男女のペアで踊っていたそうです。

総勢72名！！！多い

そしてグランパドドゥ、余興の締めくくりとしてのアポテオーズと繋がります。

皆さんがこれから踊ったり観たりする「くるみ割り人形」がどんな演出になったとしても、音楽だけは変わりません

プティパ氏からの指示書を元に、チャイコフスキー氏が作曲し、今でもずっと親しまれている音楽に込められている個性を考えながら踊ったり観たりすることで、より奥深くより色鮮やかな貴方だけのくるみ割り人形の世界を見つけることができるかもしれません

素敵なクリスマスをお過ごしください🎄

RBLJ 長田聖良