皆さん、お久しぶりです😃
RBLJではこれまで、ロシアバレエメソッド、バレエの歴史、レッスンの時に便利なロシア語...などなどを少しずつご紹介してきましたが、これからは既に皆さんも良くご存じであるバレエの名作をより詳しく復習しながら、登場人物や、その踊りに必要な要素(例えばヴァリエーションの正しい振付や、踊りのコツ)などに発展させながらのご紹介もしていきたいと思います
発表会やコンクールで人気のヴァリエーションのキャラクター達も登場してくると思いますよ
是非、参考にして踊りを深めて下さいね
バレエ名作解説集
第1弾は【くるみ割り人形】です
寒い冬に向かうと同時に、これからの季節、ロシアの劇場シーズンはより一層盛り上がります
ロシアのクリスマスはロシア正教の関係で1月7日
全世界で “くるみ割り人形” は年末年始に沢山上演されますが、ロシアでは季節を問わずに上演されている人気の作品です
近年では映画化もされているので、バレエを知らない方でも耳にする事もあるのでは?😄
さて、今回は “くるみ割り人形” の物語を歴史と共に振り返ってみましょう✌️
ドイツのE.T.A.ホフマンの “くるみ割り人形とねずみの王様” という童話を元にした “くるみ割り人形”
E.T.A.ホフマンは作家でありながらも、音楽評論、作曲、画、法律...とマルチに活躍。多彩な才能を発揮しまくって、ロマン派時代の奇才と呼ばれていたとか😅✨
当時のマリインスキー劇場の支配人が、“眠れる森の美女” に続くバレエ作品を、とM.プティパに依頼し、M.プティパとP.I.チャイコフスキーの最強タッグによる “くるみ割り人形” が生まれました。ですが、構想中にM.プティパが病に倒れてしまい、台本はM.プティパですが、振付の全てをL.イワーノフに託しました。L.イワーノフと言えば “白鳥の湖” でも有名な振付家です(このお話はまた次の機会に)
“くるみ~” はその最強コンビが大成功させた “眠れる森の美女” の次作として生まれ、1892年12月18日、マリインスキー劇場にて初演を迎えました
クララ、マーシャ、マリー... など主役の名前が演出によって異なったり、ドロッセルマイヤーが大活躍する演出や、最初から最後まで1人のダンサーが演じるもの、子役から大人のダンサーに変わるもの、2幕で子役が舞台上に座っている演出... など様々なバージョンがありますよね
ロシアでポピュラーなものは、1幕のクリスマスパーティーからねずみの王様の闘いの場面までが子役のマーシャ、雪の場面から2幕のコーダまで大人のダンサー、終幕でまた子役になる、といったものが一般的でしょうか。(これは主にマリインスキー劇場、ワガノワバレエ学校が上演しているワイノーネン版です)
今でこそ人気があり、クリスマスの時期にはド定番である “くるみ割り人形” ですが、初演当時はいまいちインパクトに欠ける、といった理由で世間の評価はまずまずだったとか...😑💦
他のバレエ作品と比べても、コレ!といった決まりがなく、様々な演出振付が存在するのは、世界中の振付家や演出家が試行錯誤してきたからかもしれないですよね。(そう考えると奥が深すぎるなぁ〜〜)
さて、
では皆さん既に良くご存知かと思いますが😅
物語もおさらいしておきましょう
※今回は日本で最もポピュラーであるお菓子の国バージョンでお話ししますね
【あらすじ】
第1幕1場
クリスマスの夜、シュタールバウム家の大広間ではクリスマスパーティーが開かれました少女のマーシャはドロッセルマイヤーからくるみ割り人形をプレゼントされ、ひと目で気に入ってしまいます😊ところが、弟のフリッツの悪戯で取り合いになってしまい、ついには壊されてしまいました。それを見兼ねたドロッセルマイヤーはくるみ割り人形を修理してくれました。
楽しいパーティーもお開きとなり、招待客も皆帰って行きました。マーシャも寝床につきますが、大広間にくるみ割り人形を忘れて来てしまった事に気が付きます。夜中に家族皆が寝静まってから、マーシャは人形を探しに行きます。その時、時計の針が12時を打ちました🕰すると、クリスマスツリーはどんどん大きくなり、ねずみの大群が🐭💦ついにはねずみの王様も登場し、マーシャを怖がらせます。
そこに、くるみ割り人形が指揮をとった兵隊の人形達がねずみ達と闘います💥そして、くるみ割り人形とねずみの王様の決闘🎺くるみ割り人形が危機に迫っている時、マーシャはねずみの王様にスリッパを投げつけ、くるみ割り人形は危機一髪
ねずみ達は退散して行きました。
倒れたくるみ割り人形を見て泣いてしまったマーシャ。起きあがったくるみ割り人形は素敵な王子になっていました✨
第1幕2場
王子はマーシャに助けてくれたお礼にとお菓子の国に招待しました。雪の国を通りながら、2人はお菓子の国へと旅立って行きます🛷✨
第2幕
お菓子の国に到着したマーシャと王子
国の住人達に、王子が一連の出来事を話し、皆に歓迎を受けるマーシャ😄
チョコレート(スペイン)、コーヒー(東洋)、お茶(中国)、飴のトレパック(ロシア)、フランス菓子(フランス)、そして金平糖の精が様々な踊りを披露してくれます
楽しいひと時も終盤に差し掛かると辺りが暗くなり、マーシャは気がつくと大広間にいました。
あの素敵な出来事は夢だったのだろうか...?
マーシャはくるみ割り人形を抱きしめました
あらすじは一般的なものをお話ししましたが、2幕のお菓子の国のまま終演となる演出や、お菓子の国ではなく、人形の国であったり夢の国であったり... 様々な演出がありますよね
観劇の後はほっこり優しい気持ちになれる “くるみ割り人形” ですが、いかがでしたか?
次回は登場キャラクターの詳細を含め、踊り方のポイントなどもお話ししていこうと思います✌️
『あの腕の動きはどんな表現なの?』『この踊りの振付は正しいの?』などのちょっとした解説もRBLJからできたら、と😄
是非お楽しみにしていて下さいね
RBLJ
伊藤智美