半年たって | 日本出身モスクヴィチカの徒然

日本出身モスクヴィチカの徒然

いわゆるモスクワ情報ではない だけど少し紹介したいロシア人の頭の中、日々ロシアの現実と相対するニホンジンの思うこと、モスクワの子育てのこと…etcを綴っております。

10年であり、半年。
解説は特にいらないと思います@9月11日
モスクワではまだ11日・・・

この半年間、なかなか進まない復興に
原発災害のもたらす影響に
世界的風評被害に日本人の一人として心を痛め、
でも同時に日本を応援しようという世界の人々の
暖かさに触れ、ありがたく思うものです。

・・・この半年間、日本の外にあっても、
「福島の原発」からは離れることがありませんでした。

爆発があり、一時避難が始まり
原発に対するやり場のない怒りを抱える一方で
ロシア人のお客さんに対しては
「放射能は心配ありません」と説明せざるを得ない矛盾

一時避難の範囲が広まり、ホットスポットが明らかになり
食料汚染が心配されるようになって
ガイガーカウンターが飛ぶように売れて
原発反対デモが毎月のように開催されるようになって
実はモスクワのほうが原発事故後の東京より線量高かったという
衝撃の事実も発覚して・・・ 汗

「知らない世界の扉がつぎつぎに開いていく」感
とでも申しましょうか。

なかでもショックだったのは、
「福島第一が寿命を超えて操業していた」。
想定されていた運用年数を超えて
一応の検査を経て操業していたさなか
地震と津波のダブルパンチに耐え切れなかった ということ。
安全がどれだけ軽視されていたのか。
効率を優先して「万が一」に目をつぶっていたのか。

そしてその検査がどんどん手抜きになっていった
・・・なんて

ここはロシアですか?!

とツッコミたくなることが次々と明かされていきました。

だけど・・・

残念な政権だったにせよ「脱原発」を表明した管政権が崩壊し
つぎの野田内閣も「脱原発」を継続すると表明した矢先から
「死の街」+「放射能うつす」 の失言で閣僚失脚のお粗末さ・・・ 

「死の街」は、それは残念ながら正直な感想だったのでは。
しかも経産相は「復興をすすめなくては」という主文の前置きとして
言っていたわけですよね。

かつて「神の国」発言で失脚した人もいましたけど
あの発言だって、日本神話に言及した話で
一部を強調して揚げ足取るのって
残念ながら日本のマスコミの常套手段のようですね。

「放射能移す」は、真偽のほどが定かではありません。
その議論の余地を与えてしまった大臣は脇が甘かったですが。
「菌を移す」ゲームって、小学生がよくやりますよね。
穢れたものが、接触で移植される ってやつ。

発想としては放射能は「菌」 穢れたもの
穢れたものに触った存在も、穢れたもの
・・・福島と名のつくものは回避すべき存在
という、これもまた残念な構造が生まれつつあります。

でも、本当は、「原発の是非」をもっと考えるべきじゃないのか?
そんな犠牲を払ってまで、原発いるのか?
代替エネルギーは可能じゃないのか?
電気、使うべきところと使わなくてもいいところの
メリハリをつけたら、もっと少なくてもいいんじゃないか?

デモを開催するのもひとつの手段
周りの人と意見を分け合うのもひとつの手段
ブログで思いのたけをぶつけるのもひとつの手段

だけど本当は

「原発をやめたら発電量は減るので
こうこうの弊害が出ます。
電気料金もこれだけ上がります」

さあ、どうしますか?

という、全体的な議論と、決断を迫る場所がほしい。

それがいままで出てこないのは・・・どうしてなんだろうね?
そして反原発の思いを抱えながら
「騒ぐ(だけ)の人」「なんかとごちゃ混ぜにしてる人」
「上記を冷たく見てる人」 などにクラス分けされ
無関心な人、原発推進の人とカオスを作っている・・・

お互い、言いたいことは言っているけれど
聞いて議論する っていう空気がないのは
非常に残念な感じがします。

・・・日本のなかでは、どう感じますか?
脱原発、本当に不可能ですか?

いつかこの空気は、変わりますか?