勝手に振り返り企画2回目は、こちらの作品です。
 
「生きてるものはいないのか」
 
大学生 マキ 役
 
@青山円形劇場
 
2014年10月16日~26日
 
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理由はわからないけれど、登場人物が次々に謎の死を遂げていくという舞台です。
 
死に方が様々なのですが、原因は不明のまま最後まで明かされません。
 
周囲の人間がどんどん死んでいき、次は自分の番かもしれないという底知れぬ恐怖。
 
これが現実世界の出来事なら本当に怖ろしい。
 
しかしながら、決してホラーではないのがこの作品のすごいところです。
 
色んな死に際を滑稽にも見せてしまうんです。
 
「死」を扱う作品はたくさんありますが、絶望の中にありながらコミカルに仕上げてしまうとんでもない舞台です。
 
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今振り返ると、1作目に負けず劣らず、2作目もなかなか特殊な舞台でした。
 
まずハード的な部分から。
 
円形劇場というだけあって、ステージが丸いです。
 
客席は360度に展開されています。
 
演者は客席の横の通路を通って出入りします。
 
席によってだいぶ観え方が異なりますね。
 
とても面白い造りの劇場なのですが、残念ながら現在は閉館されてしまっています。
 
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そして、ソフトの部分ですが、わかつきの舞台史上、最も台詞の量が少ない舞台だったかと思います。
 
メインの役ではなかったことも起因していますが、何よりもだいぶ前半に死ぬというのが大きい。
 
犬天も前半でお亡くなりになりますが、それよりも早かったと思います。
 
おそらく開始30分くらい。
 
ごく普通の大学生役なのですが、日常風景の中で突然咳き込み始め、そのまま咳が止まらずに倒れて死にます。
 
わかちゅー( ;∀;)!!!
 
しかし、この舞台がすごいのはここからです。
 
開始30分くらいで死んだあと、舞台が終了するまで残り1時間10分~20分くらいでしょうか。
 
わかつきは、ずっと同じ場所で死体として転がっていますΣ(- -ノ)ノ エェ!?
 
この先の彼女の役者人生で、死体役の時間がこの作品を超えることはないのではと思える長さです。
 
いや、ほぼ間違いなくないでしょう。
 
冒頭に書いたように、登場人物が次々に死んでいくので、もちろんわかつき以外の人たちも死んだあとはずっと舞台上に死体として転がっています。
 
しかも、この円形劇場、決して広くありません。
 
後半なんて舞台上ほとんど死体だらけです。
 
どんな舞台だ!
 
と思わずツッコミたくなりますが、これは映像作品ではありえない舞台ならではの表現なので、演出された方は本当にすごいなと思います。
 
なかなか衝撃的でした。
 
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わかつきは、もちろんただ転がっていたわけではありません。
 
死体なので、なるべく息をしないように静かに呼吸したりと、死体を全力で演じていました。
 
(なお、1公演だけ途中で寝てしまい、舞台が終わったときに目覚めた回があったという後日談がありました笑)
 
このときの彼女はちょうど20歳。
 
大学生役ということで、これまでの中でもかなりリアルな自分に近い役だったのではないでしょうか。
 
恋愛事情も垣間見える役柄で、わかつきがもし乃木坂に入っていなかったら、こんな感じだったのかなという視点で観るのも面白い作品だったかなと思います。
 
まあ実際、この世界に若月佑美が存在したら、最後まで死なないと思いますけどね( ̄+ー ̄)
 
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