繋がれた明日 (新潮文庫 し 42-6)/真保 裕一
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本 書籍紹介 本

あの夏の夜のことは忘れられない。
挑発され、怒りに駆られてナイフを握った。そして一人の命を奪ってしまった。
少年刑務所から仮釈放された、中道隆太。
彼は人間味溢れる保護司に見守られ、不器用ながらも新たな道を歩みだしていた。
その矢先、殺人の罪を告発するビラが撒かれた。
誰が?何のために?真相を求め隆太は孤独な旅を始めたのだが―。
深い感動を呼ぶ、著者の代表作


本 感想 本

未成年で罪を犯した加害者側の心情が中心の、重いテーマの一冊。

通常なら被害者やその遺族の本が多いと思うが、加害者側や加害者の家族や周りの人々の心情もまとめてあり、読み応えは充分。

仮出所後、主人公は罪の意識はあるが、「相手が先に手をだした」「自分だけが悪いのではナイ」などの思いもあり、遺族へ謝罪に行くことをためらう主人公。

社会復帰を果たそうと努力する主人公と主人公支える保護司。だが、努力すればするほど「人殺し」である自分と向き合わなくてはならなくなり、その辛さに挫折しそうになる。

刑務所で罪を償ったという意識のある加害者と、刑務所だけでは罪を償ったとはいえないと考える被害者遺族の意識の違いなど、両方の感情を受け止めなくてはならない読み手としては、非常に考えさせられる。


また、「保護司」や「協力雇用主」といった更正のための受け入れ制度も取り扱っていて、とても印象に残った。



ラストの場面は、予想通りではあったが涙が。