人形づくり教室で利用している駅の改札を抜けた先に書店があり、
今年二月教室の移転で利用するようになった駅であり、
これまでは毎回慌ただしく前を通りすぎていたけど、
今回は何だか吸い込まれるように、すすーっと初めて入店してみた。
なんとなく通路に沿うように店内を歩き始め、突き当たりを左→左に曲がった所で、
ふと立ち止まった右手の棚にSNSでちらっと見掛けていた本の背表紙が目に留まる。
書籍名をはっきり分かっていた訳ではないけれど著者名に見覚えがあり、
サッと手を伸ばして棚から抜き取り中身をパラパラ眺め、裏表紙で価格を確認してレジへ直行。
書店滞在時間はわずか1分程だった。
買ってきたのはこちら↓
『敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本』
十勝むつみのクリニック院長・長沼睦雄 著
わざわざ探しにいく本でさえ、ここまでスムーズに見つかることなんてそうそうない。
まるで買うことが決まっていたような無駄の無い流れを不思議に思う。
一目見て息子の過敏に対するヒントが入っていそうだったので、迷いなく購入。
すでにエイレン・N・アーロンさんが書いた翻訳版『ひといちばい敏感な子』という、
The Highly Sensitive Child~HSCの特性を捉えた本を持っていて、
今回購入した本は職場での困り事にも対応している項目があり、
HSP~The Highly Sensitive Person ~向けに、セルフケア等がまとめられた本。
HSPに共通する特徴として挙げられていた6つを一部抜粋してみる。
1 刺激に敏感すぎる
2 心の境界線がもろい
3 疲れやすい
4 人の影響を受けやすい
5 自責や自己否定が強い
6 予感や直感が強い
…といった傾向をHSPは抱えている
帰宅後に息子へ
「(息子の)研究するのに、いろんな感覚過敏のことが書かれてる本、買ってきたんだ~」と見せて、
私が見出しを声に出して読み上げていくと、息子が普段感じていることが続き、
「なに?この本?共感できることばっかりなんだけど!」と、珍しく息子が本に興味を示してきた。
本の構成としても視覚的にうるさくならないよう配慮されたのか、二色刷で読みやすい。
例えば参考書でもあまりカラフルになると私も読みづらさがあり、二色刷位がちょうどいい。
余白も程よく取られ、漫画やイラストが添えられていて分かりやすくなっている。
翌日息子が「あの本、読み終わった?」と聞いてきた。
「いやっ。買ったの昨日だから、さすがにまだ読み終わらないよ」と応えたけど、
私が買ってきた本を息子が気にかけること自体、かなり珍しいことで、
自分に似通った感覚が数多く紹介されている本に関心が湧いた様子。
息子にとって本を読む作業は、かなり集中力を消耗することになるので、
これまで宿題以外で自ら進んで読書することは滅多にないけれど、
関心がある様子が息子の言動から感じられた。
まだ本は読みかけだけど、気になったのはミラーニューロンシステムとASDとの関係性について。
ミラーニューロンシステムとは人が持つ共感性を司る神経で、
この働きが現段階ではHSPでは強く働き、自閉症では弱いと予測されているらしい。
息子は感覚の過敏さや気持ちの切り替えの苦手さからASDの診断もついているけど、
同じ空間で強い語気で(例えば教師から)注意を受けている同世代を目にすると、
その一件に無関係だとしても、その対象者に反応(共感)する様子は、
私から見て、息子に共感性の乏しさは感じられず、
むしろ必要以上に受け取ってしまい、疲れてしまっているように見える。
目にしている状況を無関係と受け流すことが苦手な面(境界の曖昧さ)は見受けられるものの、
それは共感性があるが故の反応のような気がしている。
ASDの特性としてよく挙げられる「相手の気持ちの理解や空気を読むのが苦手」という側面は、
むしろ微細にあれこれと可能性を考えてしまい決めかねている状況とも思える。
私が人形づくり教室に出向いた日、息子はかならず「今日、楽しかった?」と聞いてくる。
相手を気遣う面を持っているし、人の気持ちに敏感なのは幼い時から。
息子が「発達障害って言われる特性を聞いた時より、
HSPの特性を聞いた時の方が自分に当てはまる気がする」と話していた。
呼称がなんであろうと、自分が何に敏感であるかを知り、
受ける刺激が和らいでいく対応法や物の見方を知り、
何かと刺激溢れる世の中で生きやすさを身につけていくことは、息子にとって必要なこと。
この本で著者はHSPがラクに生きるコツとして
「自分を責めたり、悩んだり、諦めたり、
相手を責めたり、承認を求めたりしているうちは、自分を幸せには出来ません。
自分のパターンに気がついて、悲しみや恐れ、怒りの奥にある心の叫び(本音)を出してしまうとラクに生きられるのです。」と書いてます。
いま息子が学校への足を止めたことも、この本の言葉を借りれば、
“HSPにとっては、心のシャッターを下ろして自分の殻に閉じこもることは、自分の心を守るための心の免疫反応”であり、
曖昧な境界線からの侵入を防ぎ、ストレス反応を軽減して
抑うつ状態に陥らないように自分を守っている…ことの現れだと私は思っていて、
やはり境界線を持つことで過剰反応が回避できたり、
ぶれない自分があるのであれば、それ(本音)を声にしていく勇気も必要になっていくと思っている。
学校に行かない時間に息子は今、近ごろ手をつけていなかった“ゼルダの伝説”の世界にこもっている。
安心して集中できる場所を求めている代償行為になるのかな?
学校に行かない息子の様子を見て、先月から体験版にチャレンジした後に、
利用の検討をしていた無学年制でインターネットでさかのぼり学習が出来る、
e-ラーニングを今月から始めたけど、連休中はなかなかその気になれず、ようやく今日から着手。
まずは簡単な問題から取り組んで、家庭学習の軸に出来たらいいけど、どうなるやら…
これからの時間をどんな風に過ごしていきたいのか??
息子に問いかけながら、息子が選択していける環境を探っていきたい。

