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5月17日(火)
東京都美術館にて開催中の
「マティス展」行ってきました。
色と形に戯れる
「赤の大きな室内」1948年
今回の展覧会は
ポンピドーセンター収蔵作品も
多数出展されて
マティスの独特な技法と色彩の試行が
つぶさに見て取れる展示でした。
「マティスの作品は
なぜこれほど
自由で開放的なのに
破綻していないか?」
ずっと不思議に思っていた謎が
解けたように思います。
象徴主義のモローから学び
フォーヴィスム、点描、キューヴィスムと
当時のパリの画家がたどった
スタイルの模索のみならず
あらゆる方法を試しました。
二次元の絵画に
いかに三次元的表現を落とし込むか?
その為の試行錯誤の様子は
人物像を描くために
ブロンズ像をつくり
肉体表現を再現する・・というように
あらゆる感覚をつかって
作品をしあげました。
だから
見る人の感覚に
すっと浸透するんだなあ
腑に落ちたのです。
ワタクシの拙い言葉を
いくつも重ねて
マティスの素晴らしさを語るほど
無粋なことはありません。
作品をみて
「ああ 光に向かって
生きてるって いいな。」
そう感じるだけで
充分な気がします。
写真撮影が可能な絵もあったので
少しだけ
エキゾチックな空間をしつらえ
モデルのアンリエット・ダリカレールに
ポーズをつけていたマティス
「赤いキュロットのオダリスク」1921年
当時の写真に部屋の様子
カラー写真だったら
絵と比較できるのに・・・
「ニースの室内、シエスタ」1922年ごろ
物、人物の境界に
白い余白をいれ
輪郭をあいまいにし
室内の明るさを描く。
セザンヌ風の静物画では
石膏の輪郭、布の陰に
黒い線を用いて
陰影と強弱で立体感を表す。
「石膏のある静物」1927年
「緑色の食器棚と静物」1928年
モデルの柔らかい腕と指を
シンプルな線で模索した習作
「夢」のための習作 1935年
油絵ではさらに腕の長さを
強調して深く寝入る女性に
「夢」を連想させる。
「夢」1935年
「座るバラ色の裸婦」1935年
キュービズム的試行ですね
黒のアウトラインが強くなると
さらに色彩は華やかに
形は単純化され
自由になっていきます。
「マグノリアのある静物」1941年
「黄色と青の室内」1946年
晩年は目が不自由になり
絵筆が持てなくなると
色とりどりの紙を鋏できり
コラージュに励むようになりました。
オットが好きだったJAZZ シリーズ
「イカロス」の絵葉書をお土産に
最晩年は南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂の
室内装飾を手掛けていました。
こじんまりとした温かな空間に
鮮やかなステンドグラスの光が差し込む
堂内にマティスの息遣いを感じます。
ミュージアムショップにて
マティスのアトリエの再現コーナー
わああ 素敵 いいな
梅雨の欝々した日本で
南仏の明るい光が差し込んできたよう。
心が軽やかになりました。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。