今日はまた、入院話に戻らせてもらいます。


リハビリは始まったものの、基本ICUのベッドの上で寝たきり状態は変わらずの日々です。

管は首、両腕、お腹、背中、鼻からなど10本以上繋がれていて何が何だか分からない状態でした。


ベッドよ頭の方が少し上がっているので、時間が経つと下にずれ落ちてしまい、元の位置に戻らなければならないのですが、この数センチ、数十センチの移動が非常に痛い。せっかく戻っても、またすぐに落ちてきてしまう、の繰り返し…


そして、口から入っている酸素の風のせいで喉だけでなく口がカラカラ状態。でも、絶飲絶食なので水も飲めない、吐き気や苦しさがあるので、夜もまともに寝られない、ICUにいた期間は1週間程度でしたが、1ヶ月以上いたような気がします。


まずはとにかく水が飲みたいと言うものとの戦いでした。水は少し落ち着くとうがいと歯磨きが許可されたので、その時に口に水を含む事が出来て、口の渇きはその時だけは解消する事が出来ました。


そこから数日経って、やっと水を飲む事の許可がありました。しかし先生からは

「急に水分を入れると腸が刺激を受けて逆戻りする可能性があるから気をつけて」

と言われて、とりあえず氷を口に含んで溶けた氷を飲んでいました。最初に氷を口に含んだ時は本当に感動しました。


そこから少しずつ回復すると、まだ食事は摂れませんが、GFOと言う、腸に優しい飲み物を食事代わりに摂れるようになりました。ただ、これが甘い、下に粉が溜まってしまうとドロドロしてしまって、これを飲むのも結構大変でした。


この頃の気分転換はリハビリでした。ベッドの上から天井を見つめるのではなく、立つ事が出来、ICUの病棟から出られる時間は本当に気分転換になりました。リハビリは掴まり立ちから始まり、捕まり歩き、そして本当にゆっくり歩く、これでも本当にキツくて、何度も倒れそうになるのを理学療法士の方に支えてもらいながら行っていました。歩くという当たり前に出来ていた事が、こんなに難しい事なんだと実感させられました。


そしてこの頃、不思議な感覚がありました。とにかく嗅覚が鋭くなっていました。病院着の匂い、看護師の方の匂い、果てにはティッシュの接着剤の匂いまで敏感に感じてしまい、普通のティッシュは匂いがキツくて使えませんでした。何故か鼻セレブは大丈夫だったので、鼻セレブを差し入れてもらってました。

今ではこの感覚は全くなく、何だったのか不思議です。


そうこうしているうちに体調も少しずつ回復してきたのか、一般病棟への移動許可がおりました。

次のステップへ行ける喜びと同時に一般病棟は移っても本当に大丈夫なのかと言う不安を感じました。


そして、約1週間のICU生活に別れを告げて、一般病棟へ移って行きました。