〈どうしようもないけれども〉




何年か前の写真を見返すと、

「幸せだったあの頃・・・」

といつも思います。



みんなが幸せだった。



娘がどんどん成長して、

いろんなことができるようになって、

どこにだって行けて、

なんの制限もなく

ただ普通の生活ができた。




ただ普通に生活したい。




あさ目が覚めて、

朝ごはんを食べて、

着替えて、

保育園に送って、

お迎えに行って、

お風呂に入って、

夜ご飯を食べて、

おもちゃで遊んで、

ねかしつけて。



今は何一つとっても気が抜けない。

機嫌を損ねないよう

みんなで気を遣っている。

機嫌を損ねて怒ったあとの方が大変だから。



時々思ってしまいます。




なんのためにこんなに頑張っているのだろうと。

家族の暮らしを守るため?

こういう子が生まれてきたのだから仕方ない?

親だから当然?

これが運命?


 


このあいだ

両親にも言われてしまいました。

娘が小さかった頃の写真を見ながら

「この頃は良かったねぇ」と。



悪気もなく、

ささいな呟きなのでしょうが、

言われたらけっこうグサッと刺さります泣き笑い



「ごめんね」ってしか言えない。



たくさん心配かけて、

複雑な思いを抱かせて、

普通のじぃじ、ばぁばの想いでは

いられなくさせちゃって。




なにを思っても

もうどうすることもできないんだけれど、

昔の写真の思い出は

あまりにもキレイすぎて、

そこに戻りたくなってしまう

どうしようもない

母です。