〈感激の涙〉
夜ご飯のあと、
突然スボンを脱ぎだした
いるちゃん
そしてズボンがしまってある
引き出しをあけて
新しいズボンを
自分で取ってきました！
履き心地が気にいらなかったのかな？
と思っていると
座って何やらゴソゴソし始めた
いるちゃん
私はちょうど台所の方にいたのですが、
夫がとつぜん
「おぉー
おぉー
いるちゃん
すごいすごいすごい」
と大声を出すので
何事かと思って見に行くと・・・
なんと・・・
自分でしっかりとズボンを持って
片足ずつ足を入れ
一人でズボンを履いていたのです
この前保育園の先生から
一人でズボンを履いていましたよ！
とは聞いていたのですが、
実際に見たことはなく半信半疑でした。
とつぜん披露された
いるちゃんの大成長の姿に
部屋中
歓声と拍手の音が鳴り響きました
「いるちゃんすごいよー！
一人でズボン履けたの？？
いるちゃんカッコいいよ！
ステキだよ！！」
褒められるのが大好きな
いるちゃん
そんな観客の気持ちに応えるかのように
手をくりくりさせ
もう一回のポーズをして、
またズボンを脱いで
一から履き始めます
自分でズボンを持って
片足ずつ入れて
かかとを出して
上に引き上げる。
最後の最後までは
きれいにあげきることはできませんが、
ほぼちゃんと履けている！
あまりに急な出来事に
驚きと喜びでいっぱいで
しばらくいるちゃんを褒めちぎったあと
バーっと涙が出てきました
私が泣くと
いるちゃんも不安になってしまうので、
泣きながら笑いながら
いるちゃんを何度も抱きしめます。
いるちゃんも褒められて上機嫌で
ゲラゲラ大笑い
一つの成長がこんなにも嬉しいなんて、
こんなにもありがたい気持ちで
いっぱいになるなんて
思えば娘のときは
いつズボンを履けるようになったのか、
いつから一人で着替えができるようになったのか
ほとんど記憶にありません。
気付いたらできるようになっていて
できるようになっていくのが
当たり前だったので、
ひとつひとつの成長を
こんなに噛み締めてはこなかった。
だけど、いるちゃんは
できるようになることが当たり前じゃないから、
小さなどんな成長も
ひとつひとつが奇跡的で
ありがたく思える。
いつもいるちゃんには
本当に幸せなことを
教えてもらっている気がします。
特別な所に行かなくても、
特別な物を買わなくても
幸せは日常の中に溢れている。
いるちゃんと暮らしていると、
一日無事に笑って過ごせることこそが
最高の幸せだと思うのです。
いるちゃんはゲラゲラ笑いながら
このあと３回もズボンを
脱いでは履いてを披露してくれました