この頃、次男・娘・参男は、震災以来初帰宅。

3月11日の朝に「いってきます」と家を出て以来、
8日ぶりの「ただいま」だった。

自宅は電気・水道は復旧していたけど、
ガスがダメ。
お風呂・台所給湯・調理ができない。

深型ホットプレートと炊飯器と電子レンジで夕食。
この日のメニューは、トン汁と、ご飯と、かぼちゃサラダ。
時間もかかるし、思うように作れない。
慣れないと・・・

夜は、深型ホットプレートで何度もお湯を沸かしては
大鍋に移して貯め、水で薄めて体を洗う。
6人分沸かすのはなかなか大変。

それにしても。
と思う。

ほんの1週間前は、
歯磨きも洗顔も思いつかないほどに余裕なく生きていた。
着替えをしたのも、数日に1回だった。
深夜の余震に備えて、子供たちも洋服のまま寝せていた。

それが、この夜は、
久しぶりに自宅で、自分の枕で、パジャマを着て、はだしで。
リラックスして眠れた。
それが危険なのはわかっていても、
全員がそうせずにはいられなかった。
普通が、恋しかったんだろう。

案の定、何度も余震があった。
結局、私は靴下を履いたままで眠りについた。


翌日、夫が3リットルの電気湯沸かしポットと
卓上IHコンロを購入すると、生活はまた少し楽になる。
今度はポットの持ち運びが重いとか、
両方使うとブレーカーが落ちるとか、
やっぱりまた、不満は出る。

人間は本当に欲深い・・・。