大号泣の話し合いから数日、
これと言った大きな変化はなかった。




リサとタカ君、
どうなったんだろう…




タカ君の態度を、
明確に知るタイミングなんて
早々にない。









それから、更に1週間が経過。


その日は、
サークル内でミーティングが終わり、
特に用事がないメンバー7、8人が
部室に残っていた。


その中には、
リサとタカ君と私もいた。


他愛もない話で
盛り上がっていたその時、
リサが急に声を上げた。






リサ「最近、タカ先輩、
冷たいんだもん…!」






その声は、思い詰めた様子。

眉間にシワを寄せて、
今にも泣き出しそうだ。




その異様なリサの様子に、
一瞬で部室が静かになった。








シーン…









リサ、、、
この場で、
そんなあからさまに言う、、、?
だ、大丈夫、、、??



リサの立場が心配になると同時に、
こう言う場所で
思った事を言っちゃうのがリサだ。と、
瞬時に理解する自分もいた。





で、この状況、、どうすんの?
周りを静かに見渡した。

きっと、
そこに居る誰もが思っただろう。




すると、

沈黙が流れる前に、

すかさず声がした。


それは、タカ君だった。







「そんな事ないで。


今までもこれからも、


リサに対しての俺の態度は


これが普通やで。」













タカ君の言葉は、
凜としている。


それは、
「これ以上は受け入れない」
と言う明確な意思表明だった。



たった一言だったけど、
リサと私には十分よく伝わった。



リサは、その言葉を聞き、
不満そうに悲しそうに考え込んでいたが、



それ以上は
もう何も言わなかった。

















それからまた、
誰からともなく、
雑談が始まった。

















あれから今日まで、
タカ君なりに、
リサと距離を置いてくれていたのだ。



タカ君の明確な態度。



急に冷たくなったタカ君の態度に
リサは我慢出来ず、
所構わず想いをぶつけたのだ。

しかし、タカ君の態度は
依然冷たいままだった。

そのリサへの「冷たい態度」を
「今までもこれからも、これが普通だ」と
言い切ったタカ君。

皆んなの前で至って淡々と。。。



リサにはちょっと可哀想だったけど…








こうして、
私がタカ君に嫉妬することは
二度となかった。








「リサとの対決」は、
結局のところ、

「タカ君と私の問題」だった。



私たち2人で解決した、
2人の問題だったのだ。