母の勤務先の会長が昨日の夜に
亡くなったらしい。





うちは、父と母が草履の製造業を営んで
いたのだけど、約10年前の11月に父が
亡くなって、母は翌年の1月から、同業
他社からお誘いがあり、パート勤務を
始めた。





母の勤務先も大きな会社ではないけど、
会長は女性で母よりも少し年下。





詳しい内情は分からないけど、血縁
関係のない社長を養子として向かい入
れている。





会長は、母が勤務し始めた頃から癌を
患っていた。





いつから癌を患っていたのかはわたし
は知らないけど、九州の方にある病院
まで通ったり、癌に効くとされている
高価なお水なんかを買って飲んでいた
らしい。





会長は、かなり懐がリッチらしく、
母にあれやこれや、自分が着なくなった
服や、自分が美味しいと思うものを
頻繁に譲ってくれていた。





わたしがたまに母に会うと、「会長から
またこんなもの貰っちゃったのよ~。
有難いんだけどちょっと困るのよね。
でもいつも、有り難うございますって
言って受け取るんだけどさ」とか、
養子の社長やそのお嫁さんと折り合い
があまりよくないらしく、母によく
愚痴をこぼしていて、「また愚痴を言わ
れたんだけどさ、何て返したらいいか
分からなくて」とよく言っていた。





わたしは、少し前のブログにも書いた
かな?
今年の4月だったかな?
母の会社の展示会のお手伝いを3日間
させてもらった。





その時に、会長が少しの時間だけ
いらっしゃっていて、初対面だった
のだけど、とてもファッショナブル
で、お上品な方で、でもやはり病気
だという事は隠しきれない雰囲気、
杖がないと歩けない、かなり弱って
いる印象だった。





展示会のお手伝いが終ったあとに母
から聞いたのだけど、会長はあれこれ
面倒くさい部分もあるけど、なかなか
時給を上げてくれない社長に対し、
時給を上げるように懇願してくれたり、
わたしの母の事をとても良くして
下さっていたみたい。





わたしが展示会で会長とお会いした時
は、「〇〇さんは凄いのよ(わたしの母)
どんなに沢山仕事があっても、全部
ちゃちゃっと片付けちゃうの。凄く
助かってるのよねぇ」と言って下さり、






「わたしもいつまで生きられるか、
分からなくて...。」と言われた時には
何と言葉を返して良いものか分からず、
「大丈夫ですよ。重い病気宣告されて
いても、長生きされる方も沢山いら
っしゃいますもんね。」と、わたしは
言葉を返したような記憶がある。





そんな会長が、昨日の夜にお亡くなり
になったと、今朝母からメールが入っ
た。





癌の宣告を受けて恐らく10年以上は
経っていたのだろうけど、余命宣告
はどのくらいだったのか、わたしは
知らない。





癌と宣告された時、そのあとの毎日
は、どんな気持ちで過ごされていた
のだろう。





いつ亡くなってもおかしくない状態、
というのは以前から母親からは聞いて
いたけど...。





ほんの2ヶ月くらい前に、わたしは
会長とは初めてお会いし、わたしの事
も褒めて下さり、母の事もいつも大事に
して下さり、亡くなったと聞いた時は、
やはりわたしもショックだった。





わたしの父も突然亡くなり、翌年には
祖母も老衰ではあったけど病院に運ば
れてすぐに亡くなり、そしてまたその
翌年には叔母も交通事故で突然死...。





人の命って、儚いなぁ...。





この世に生まれてきたからには、
必ずいつかは死が訪れる。





そうと分かっていても、そこまで
親しい仲ではなくても、亡くなったと
聞くととても悲しく切なくなる。





母もとても悲しんでるだろうな...。





あ~、なんか涙が出てきそう。





わたしは通夜、告別式に参列するか
分からないけど、この場をお借りして
御冥福をお祈りします。





会長さん、今まで母にとても良くして
下さって有難うございます。





天国に行ったら今までより楽にいられ
ると思うので、天国で楽しい事、沢山
して下さいね。





今回は、しんみりとしたブログでした。