昨日の朝日新聞のデジタルニュースを
読んだ。

娘の命を奪った『舌がん』の新たな治療法の
選択肢として注目を浴びているのが、
近赤外光を使った「がん光免疫療法」。

がん細胞表面のたんぱく質に結びつく
「抗体」に、近赤外光によって反応を
起こす化学物質を付着させ、患者に注射。
患部に近赤外光を当てると化学物質が
反応し、がん細胞の細胞膜を傷つけて
死滅させるというもの。

近赤外光はテレビのリモコンに使われ、

人体には無害なものだそうで、

がん細胞だけを狙って攻撃できるため

副作用が少なく、手術や抗がん剤治療、

放射線治療などで治らない進行がん患者の

新たな治療の選択肢として注目されている

というのだ。


アメリカの治験でも、従来の治療で

治らず再発した舌がん、咽頭がんなど

頭頸部がん患者を対象に実施した結果、

安全性が確認され、15人の患者のうち

14人のがんが縮小し、そのうち7人は

がんが消失し、残る1人もがんが悪化して

いないという。


国内初の治験(臨床試験)を、
国立がん研究センター東病院で3月に
再発頭頸部がん患者を対象に
実施するのだそうだ。



そのニュースを読んで

正直ショックだった。


こんな素晴らしい治療法が2年前に

あったなら…

娘があと、2年遅く発病していたなら…

アメリカに住んでいたなら…


今も生きていたのだろうか。

 

色んな思いが頭をぐるぐる…



当時、喉から手が出るほど受けたかった

『オプジーボ』も、今では認可されて

頭頸部がんにも使用出来るように

なっているけれど、あの頃は、

受けたいなら何千万も払って

自由診療で…と言われていた。


あと少し、進行が遅かったなら…

今、生きていたなら…

違う未来が待っていたかもしれないのに。



神様は、娘をどうしても

連れていきたかったらしい。

私と娘を引き離したかったらしい。


娘は、たった25年の短い人生を自分に

用意して生まれてきた…

運命だった…と言われても

私はやっぱり、納得出来ない。


ごめん。

「今はもう痛みも苦しみもなく元気」に

なっているはずの貴女が見えないから、

お母さんはいつまでもいつまでも、

こんな想いから抜け出せなくて

それが貴女を苦しめているかな。


「私はもう前を見ているから」と

貴女が言っていたとしても、

やっぱり貴女が見えないから、

お母さんが後ろを振り返ってばかりで

それが貴女を苦しめてるかな。



いつか、『がん』は100%治る病気に

なるかもしれないのに、貴女と同じ痛みを

苦しみを味わって死にたいと思う私は

どうかしているのか。

そのくせ 痛い痛いと言い、薬を飲んで

うずくまってる私は口先だけの人間か…


そんなことを考えながら、ニュースを

何度も何度も何度も、読んだ。




これが治癒につながる治療法になれば、

本人はもちろん、私達のような悲しい

思いをする家族が減るんだね。


でも、私達の『悲しい思い』は

永遠に変わらない…


そんなふうにしか考えられない

自分が嫌になる。