春の長雨。
春が訪れると、雨が降ると、
一日中降っていたりします。
けれど、そんな日もあって、いつしか気温が高くなり、
花々が咲き乱れる季節になっていることに気づくのです。

「あぁ…春だなぁ」…と。


春雨、小雨、時雨、五月雨…
日本には、様々な雨の表現がありますね。
少し気分が沈みがちになる雨の日も、
日本人は、表現を変えることで、
楽しんできたのでしょう。

雨音を、
「しとしと」「ぴしゃんぴしゃん」「ざーざー」など、
擬音で表現するのは日本人だけだといいます。
けれど、雨音を擬音で表すと、
雨がとても美しいものに感じますよね。

これは、
日本人は、昔は、雨は「天の恵み」と、
とらえていたからこそではないでしょうか。


{E58BDCE8-8FBC-4FBE-A6AB-BF67C5E5D8DC}


最近では、雨が降りすぎると、
土砂崩れや川の氾濫、
そして、農作物への影響となり、降るにしても、
極端な量の雨だったりします。
そして、降らないときは、
何日も何日も降らなくて、
干ばつに近い状態になったりします。

雨が降ると、通勤、通学が大変だし、傘が邪魔。
気分もスッキリしないし、雨は、人の気持ちもネガティブにしてしまう。
天気予報で、毎日、または、時間ごとチェックをして、降水確率が高いと嫌な気持ちになる。


「なんだ、雨だって。」
「雨かぁ。嫌だなぁ。」


そんなふうに、人はいつからか雨に対して不快なイメージを持ち、
雨が降るというだけで、愚痴を言うようになりました。

では、日本の昔はどうでしょう。
昔は、道も舗装がされていなくて、
雨の日は、歩くのが大変だったはずです。
けれど、人々は、
雨だからこそ、気分を上げるために、
お洒落な傘をさしたり、
レインコートを着て、
カラフルな長靴を履いたり、
暗い気分になりそうな雨の日は、
明るいものを身につけたりして、工夫していました。

長靴やレインブーツを履いて、
水たまりをよけながら、歩く。
お洒落でお気に入りの傘を、
落ちてくる雨の雫を見ながら、歩く。
人々は、雨が降っても、
あまり愚痴を言うこともなかったのです。
それは、
雨を嫌うのではなく、雨を楽しむことをできたからです。


雨が降ると、子供達はお家の中で遊び、
ネットやゲームができなくても、工夫して遊んでいました。
親子で過ごせる時間もできるし、
雨の日は、ゆっくりお家で好きなことをする…そんなふうにしていました。
大人も子供も、
雨音を聞きながら、本を読んだり、絵を描いたり、
何かを手作りしたり…
雨音は、心地良い BGMなのです。
そして、雨音を聞きながら、
眠るのは格別に心地良いですよね。


今は、すっかり誰も作らなくなってしまったけれど、
遠足や旅行前には、大人も子供も、
てるてる坊主を作り、
雨が降らないように、祈っていました。
てるてる坊主は、神様に祈りを届ける役割を持った小さな使者。
信じる気持ちや祈りを、てるてる坊主は、天に届けてくれるのでしょう。
なんだか、ほっこり💓しませんか?


作られなくなったてるてる坊主は、
時代が変わったというより、
人々の心に潤いがなくなった象徴のように感じます。



雨上がりの澄んだ青空。

きれいな虹。

みずみずしく、生き生きと輝いて見える風景。

道にできたいくつもの水たまり。
そこにあめんぼがいるのを見つけたり、
カエルが道に出てきていたり…

雨上がりは、田んぼのカエルも大合唱♪

紫陽花の色鮮やかな美しさも、雨がもたらしたもの。

雨は、人々の心に、新鮮な潤いを運んでくれました。
そして、人々は、雨上がりを楽しんでいました。


雨が降っても暗く沈む気持ちにならず、
雨は雨…と、
人々は、雨を受け入れていました。
だからこそ、
雨が上がった瞬間、
「あー、雨が上がったね。」と、
自然に思わず顔がほころんだのです。


このように、昔は、
雨が降っても、
雨が上がっても、
素直に喜び、感謝していました。
それは、
雨は、「天の恵み」であることを、
また、どれほど大切なものであるかを知っていたからなのです。
作物が育ち、水源が豊かで、
人々の暮らしを支えてくれる雨を嫌うことはできなかったのです。

けれど、
いつしか時代は変わり、
開発が進んで、街並みも変わり、
ビルが建ち並び、
人々の目に映る風景が変わるのとともに、感謝を忘れて、
雨を敵のように感じるようになった人々が増えました。

ここ数年は、天候がとても不安定です。

これは、
感謝を忘れてしまっている人々に対しての天からの戒めではないでしょうか。


雨の日も、嫌わないでください。


雨は、あなたにいつもと違う何かを気づかせてくれます。
だから、「嫌だなぁ」って思うより、
雨音も雨の風景も、楽しんでみてください。

角度を変えて見てみたら、
ステキな何かを発見できるかもしれないですよ。
…雨はそんなことを教えてくれているような気がします。



自然は、すべてが命の源です。


晴れの日も雨の日も、感謝を忘れずに生きたいですね(*^^*)


{C060CF5B-D82F-4F6E-A2AE-ADCE7376CD6B}