午前中やるべき事は、大方片付けてしまった。
風が心地よく吹き抜ける。
今年も帰って来て、朝早くから忙しなく行き交うツバメの鳴き声と
遠くから車が走る微かな音だけが聞こえる。
ベランダに出て確認すると
巣はほとんど補修が終わったかの様に見える。
今朝の作業はとても捗ったみたい。
遠く平野が一望できるベランダは
私にとってもツバメ達にとっても特別な場所。
緑の合間を縫う様に家々が立ち並び
新緑が輝く山に囲まれる風景は
心を安らぎで満たしてくれる。
清涼な空気を運ぶ風に、幸せとはこういうことなのだと感じ、思わず大きく深く呼吸をして吸い込んだ。
ああ、そうだ… と、
すっかり花が落ちたブルーベリーの木の側にチェアを広げ
子どもの踏台をテーブル代わりにコーヒーとナッツを少し並べてみた。
晴天の空に太陽を求めて伸びたオリーブの葉が揺れる。
時々空を旋回するツバメを眺めたり
読みかけの本を休み休み読んだり。
慌ただしく、心と体に少し無理を強いながら過ごす普段の生活から離れて過ごす、こんな静かな休日こそが最高の贅沢だと
またゆっくりコーヒー啜る。