
るりいろ工房の作品や、創作体験で行なっている、
ガラスを熱で溶かし合わせるグラスフュージング技法で、
お皿ができるまでの過程をご紹介します。

工芸用の大判のガラス板から、使いやすい大きさにカットしたガラス。

このガラスを目的の大きさと形になるように専用の工具を使いながら加工していきます。
ちょうどいい大きさのガラスのかけらがあればそちらを使います。
(かけらを切ったり削ったりせずに感覚的に置いていくだけでも楽しいです)


ベースとなる板ガラスの上に自由にレイアウトして、動かないように仮止めのりでとめます。
※体験での作業の場合はここまでとなります。

ここからは裏方の作業です。
炉の中で溶かす際にガラスを置いておく棚板の準備。
板に直にガラスを置くと、高温で溶けたガラスがくっついて固まってしまうので、
離型剤という粉末を水に溶いたものを棚板を回しながら満遍なく塗っていきます。
この離型剤の効果は焼成1回分なので、次の焼成をする際にはヤスリなどで綺麗に削り落として
また塗り直す必要があります。




離型剤が塗り終わった棚板は、天気が良い日に外で自然乾燥させています。
(陽が差さない日が続いているときは工房内のコンロなどで乾燥)


乾燥したあと、余計な粉を落とし、焼成前の作品を置いていきます。


炉の中で棚板を段組にして、ガラスを溶かしてきます。
この時の炉内の温度は800度近くになるように温度を上げて行き、
最高温度になったら、ゆっくり時間をかけて冷ましていきます。
このとき、レイアウトしたガラスの凹凸を活かすのか、滑らかに溶かすのか、
またはグラスフュージングの中の細かな技法の違いによって、
温度や時間を変えています。

棚板は焼成を何年か繰り返しているとヒビが入ってきて割れてしまうのですが、
るりいろ工房で使っている大きさ40cmの棚板は、現在流通しているところが見つけられなくて困っています。

焼成が終わり、溶け合ってプレート状に仕上がった作品は、
溶けたガラスの縁にバリが出ていることがあるので、研磨した後に、
お皿の型に離型剤を塗ったものの上に置いて、もう一度焼成します。
型のかたちに沿ってガラスが溶けて冒頭のようなお皿が出来上がります。
(このときにもバリやざらつきが出ることがあるので研磨をします)

カットしたガラスの小さなかけらをベースのガラスではなく、
直に棚板の上に乗せて焼成すると半球状の粒ガラスができます。

るりいろ工房